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想像していなかった未来 エンタープライズITの現場編
企業のIT部門で働く私は、過去10年から5年前まで、暗黙的な前提を持って業務に取り組んでいました。それは、「適切なお金を支払えば、必要なシステムや優秀な人材を得ることができる」というものです。
外部ベンダへの依存率が高い私たちの会社では、システム構築は外部ベンダに委託し、業務委託の方々が社内に常駐していました。私たちの主な業務は、自社の業務を理解し、正しく予算を執行することだと考えていました。この流れはずっと変わらないものだと信じて疑いませんでした。
しかし、ここ2~3年で大きな変化が起きています。その変化は私たちの業務の根幹を揺るがすものでした。
実際に起きた変化
実際に起きた変化は以下のような内容でした。
外部ベンダへの依存の限界
シンプルなシステムでさえ、外部のベンダは構築することが難しくなっています。私たちは設計書のレビューに参加し、技術的な考慮漏れを指摘することで、ようやくシステムが完成する状況です。お金を支払っても、一度では正解のシステムに出会えず、導入して1年運用してみて初めて本質的な要件に気づくこともありました。その気づきをもとに新しいシステムにリプレイスすることで、ようやく求めていた結果を得ることができました。
サポート体制の変化
導入したシステムについてパッケージベンダに問い合わせても、マニュアルに書いてある以上のことは答えてくれません。以前であれば、ベンダからの積極的なサポートや提案がありましたが、それも期待できなくなっています。
プロジェクトマネジメントの難しさ
基幹システムのリプレイスでは、ユーザのリクエストをまとめることができず、その部分をコンサルティング会社に委託してもプロジェクトを成功させることはできませんでした。結果として、ユーザへのヒアリングを行わず、既存システムと全く同じ機能、同じインターフェースを実現することで、なんとかプロジェクトを着地させました。
業務委託の質の低下
社内に常駐してくれる業務委託の方々も、自ら意思を持って業務を行ってくれる方は少なくなりました。決められた業務のみを実行し、無駄の多い業務であっても改善案を提案してくれません。
想像していなかった未来:お金で解決できない世界
これらの状況から、自分たちにマッチするシステム、適切な回答をしてくれるサポート、能動的に動いてくれる業務委託は、お金を支払っても得られない現実に直面しています。
まとめ
計画的に対応した企業以外は、私たちが経験しているような変化を目の当たりにしているのではないでしょうか。これからのエンタープライズITは、外部への依存から脱却し、自社内での能力向上が求められています。私たちもこの現実を受け入れ、未来に向けて新たな一歩を踏み出す必要があります。
余談:成功している企業の共通点
ITが業務の中心になった頃、それに気づいて正社員の社内ITエンジニアを計画的に育成し、強固なIT組織を作り上げた会社は、とてもうまくいっていると聞きます。彼らは外部に頼らず、自社内で問題を解決できる体制を整えていました。