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究極のSDGs

最近、SDGsと言う言葉をあちこちで聞く。
要約すれば【持続可能社会】とかそんな感じであろうか。

そんな動きの究極の形をこの間YouTubeを介して知った。

皆様は【フェニックスワーム】と言う昆虫を御存知だろうか。
和名はアメリカミズアブ、爬虫類愛好家には【レプタイルワーム】の通称でも知られる。厳密には【〜ワーム】と呼ばれるのはアメリカミズアブの幼虫の事である。苦手な人も居ると思われるので外見についての仔細な説明は省く。

このフェニックスワーム、雑食性で有機物ならばほぼ何でも食べる(因みに摂食が可能なのは幼虫の時期だけで、成虫になると口が退化し、繁殖行動を終えると儚くその生涯を終える)。
しかも50度前後の高温に対する高い耐性を持ち、堆肥等の中で発酵熱を糧に冬越しさせる事が可能だと言う。
そこで、コンポスト(堆肥を製造・ストックする容器)でフェニックスワームを飼育し、生ゴミや消費期限切れの食品をフェニックスワームに食べさせて数を増やし、一定のスパンでワームを間引いて家禽の餌に活用する…と言う研究が世界の幾つかの国で進められているのだと言う(余談だがこのフェニックスワーム、一応人間が直接食べる事も可能らしい)。
フェニックスワームが家禽の飼料として注目されるのは繁殖力の高さも然る事ながら、自ら体内で抗生物質を生成する為に雑菌がつきにくい…つまり衛生的な問題をクリアしている、と言う理由もあるそうだ。
日本ではまだまだ研究が進んでいない方法だが、今からでも遅くないので何処かの機関で本格的に着手して貰えないだろうか。

また、フェニックスワームと並んでSDGsの未来を担う可能性があるもう一種の虫の存在にも触れて置こう。
ジャイアントミールワーム(ゴミムシダマシの一種の幼虫)である。
こちらも爬虫類や両生類の餌として飼育家には知られた存在だ。

ジャイアントミールワームはフェニックスワームよりも肉食傾向が強いそうだ。魚のアラ等は良い餌になるだろう。
ある有名な生物系YouTuberの方は、ジャイアントミールワームに駆除したウシガエル(特定外来生物)のおたまじゃくしを餌に与えていた。
カエルのおたまじゃくしは種類を問わず腸が長く内臓の大半を占める為に可食部が殆ど無く、一部のヘビ類以外は積極的に餌として利用しない。中でもウシガエルのおたまじゃくしは筋金入りに不味いらしく、それもあって日本各地で爆発的に増えている(捕食しようとする者が居なければ当然の帰結である)そうだが、ジャイアントミールワームはこのウシガエルのおたまじゃくしさえも骨だけ残して完食すると言うから、恐るべき食欲である。
…そして勿論、ジャイアントミールワームも家禽の餌に活用する事が可能と思われる。

先述の生物系YouTuberさんは「資金があったらそう言うSDGs施設を作って、日本各地から生ゴミや駆除された外来生物を買い取ってミールワームに食べさせて、増やして出荷したい」と仰っていたが、なかなか良いアイディアなのではないかとワタクシも思う。
それこそ界隈で有名な誰かが、クラウドファンディングでも実施したら案外早く資金が集まるのでは無かろうか。その時はワタクシも幾許か御布施をしたいものである。

以上は生ゴミや駆除された外来生物等に特化したSDGs活動であるが、聞いた話では最近、プラスチックや発泡スチロール、その他の石油由来ゴミを分解する能力を持つバクテリアが発見され、そちらもSDGsの観点から目下注目を集めているとの事だった。
何だかこんな話を聞いていると、スタジオジブリの名作アニメ【天空の城ラピュタ】のヒロイン・シータの台詞を思い出す。

「人間は土から離れては生きられないのよ」

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