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市議会傍聴

医者にかかり処方箋を貰って処方箋薬局に出向いた際、そこに設置されたテレビが国会の中継を放映しているのを見ると瞬時に「何の拷問だよ」と脳裏で罵詈雑言が出るワタクシが居る。要所要所を切り取って放映しているのかノーカットなのか知らないし知りたくも無いが、野次と暴言が飛び交い、発言している議員の話を遮るように声を荒げたり、嘘偽りをペラペラ喋っている議員の姿を見ると、強烈な吐き気に見舞われる。

そんなワタクシが、どうしたご縁か在所の市議会の傍聴に招かれる運びとなった。最初は戸惑ったが、後学の為にもなろうかと思い、参加を表明した。

市議会は何日もかけて決められた時間に答弁と質問とのやり取りをするものらしく、ワタクシが拝聴しに出かけた日は当月の幾つかの議題の内7番目(実質、2月最後の議題)であった。内容は我が在所の福祉関係の議題であり、罵詈雑言が飛び交う国会中継とは裏腹に、粛々とそして穏やかに討論が繰り広げられているのが印象的だった。

何より魂消たのは、議員の質問に対し答弁を担当する議員の口から出た回答に、ワタクシの創作活動の一端が(名こそ伏せられては居たものの)克明に織り交ぜられていた事である。
…そう言えば確か、いつかのこども食堂に地域の名士の方々…だいたい我が在所の市議会議員の皆様…が10名程視察に来られていた。
その折、視察に来られていた名士各位が、ワタクシが子供向けに作成した塗り絵や魚釣りゲームに目をつけ、どのような背景があってワタクシが原画を担当する運びになったのか事細かに質問を浴びせて来た記憶がある。何なら視察団の何名かは魚釣りゲームを自ら体験し、大変楽しんで居られた様子だった。
あまりにも楽しそうだったので「お気に召したオブジェクトがありましたらお持ち帰り下さい、足りなくなったらまた作るので」と進言申し上げたところ、数名が実際に魚釣りゲームのオブジェクトを手に取り面白がって持ち帰られた。

当の原画担当者本人が思い切り忘れていたのに、視察団の方々は忘れずにしっかり覚えて居てくれていたものらしい。そしてワタクシの創作活動を【市の施策のポジティブな結実例】として市議会で取り上げて下さった。
あまりにも忝なくて最初は口から心臓が飛び出るんじゃないかと思った。だが、同時に在所の施策に対し些かなりと役に立てたと知る事が出来、大変嬉しくも思った。

その後も市議会は穏やかな空気の中進み、途中、市長から今後の市政に対し熱い答弁が為されるひと幕もあった。市長の「誰ひとり置き去りにしない市政を目指したい」「その為にも議員の皆様には所属・党派の垣根を越え一丸となっていただき、共に市政を切り盛りし盛り立てたい」「国に頼るのでは無く、我等が市から日本を変えていこう」と言う思いが知れて胸がスカッとするような気持ちになったし、何より居並ぶ市議会議員の皆様が恙無く議会を進行させんとするその厳粛な姿勢にも感動した。
2時間があっと言う間に溶けた。恐らくこれまでの人生の中で、最も有意義な2時間であった。

※昨日の我が在所の市議会の模様がYoutubeにて公開されています。許可をいただいたのでリンクを貼ります。

(本記事は必要に応じ、都度アップデートします)

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