不幸な誕生日
忘れもしない、それは2016年10月23日の出来事。
尊敬していたアーティストのひとりが、ひっそりと鬼籍入りした。
そのアーティストの名は…ピート・バーンズ。
中性的な外見にそぐわぬ荒々しい声、そして男性であるに関わらずボディコンを見事に着こなすスタイルの良さを持つ稀有なアーティストだった。当時は同じく中性的な容姿が特徴だったボーイ・ジョージ(カルチャー・クラブのボーカル担当)と人気を二分する存在だった。
ダイバーシティの概念が顕著になった現代にこんなアーティストが存在していたら、性的マイノリティの人々から熱い崇拝を受けたのでは無かろうか。事実、当時もかなり中性的カリスマとしてファンの熱烈な支持を得ていたと記憶している。
デッド・オア・アライブは1980年代〜1990年代に頓に活躍したバンドで、デビュー曲【ユー・スピン・ミー・ラウンド】は現代でも様々なアーティストによりカヴァーされて唄い継がれている。
一時は時の人だったピートだったが、晩年は不遇な日々を過ごしていたようだ。敢えてこの場では詳らかにはしないが、紆余曲折の末に急性心不全にて、50代と言う現代では比較的夭逝の部類に入る年齢で鬼籍に入る事となった(Wikipediaによると、彼の葬儀にかかる費用の一切をボーイ・ジョージが負担したとの事)のは、甚だ残念と言わざるを得ない。
そして、ピートの命日は…
実は、ワタクシの誕生日でもあるのだ。
デッド・オア・アライブのオリジナルアルバムに【ファン・ザ・フレイム】と言う一枚がある。
この【Fan the flame】と言うタイトルには【情熱を掻き立てろ!】と言う意味が込められているのだそうだ。如何にもピートらしい。
そのアルバムの2曲目に収録されているのが「アンハッピー・バースデイ(Unhappy Birthday)」と言う曲である。曲の仔細な解説は此処では省く。多分今でもAmazonMusicで購入可能な筈だ。
…この曲の魅力は、実際に聴いて頂かない事には、恐らく伝わらない。
それはともかく。
ピートが亡くなって以来、ワタクシは誕生日の度にこの曲を聴いてはピートの事に思いを馳せるようになった。
想像してみて欲しい。
自分の誕生日に、尊敬していたアーティストが身罷る。
これ以上に【不幸な誕生日】が、果たしてこの世に存在するだろうか?
…今年も、【不幸な誕生日】がやって来る。
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