AGARWOOD(OUD)
中東ではOUD(ウード)、日本では沈香(じんこう)と呼ばれています。その正体は香木の一つで、日本でも古来から親しまれ、中東では自宅で焚いて香りを楽しむ文化があります。香りとしては、鋭い刺激がいつまでも記憶に残り、サンダルウッドのような甘さ酸っぱさ、辛みを合わせもった上品で奥深い香りと言われています。一度香ると忘れられない「香りのダイヤモンド」と称されるほど。
沈香は香りの種類や産地などで分類され、その中で特に質の良いものは伽羅(きゃら)と呼ばれます。現在でも高値で取引されているほど天然の沈香は希少価値の高い香木です。
1キロあたり3000万円以上するものもあり、金1キロあたりよりも高い価値がついた事もあるそうです。
沈香の正式名は「沈水香木」と言い、ジンチョウゲ科のアクイラリアという木から取れ、木の一部が傷がついたり虫に食われたりすることで樹脂が分泌し、その分泌物が固まったことで生成されます。原木は、比重が軽く水に浮きますが、樹脂が沈着することで比重が増し水に沈むようになるので「沈水香木」(水に沈む香る木)と名前になりました。沈香が生成される時間は50年、さらに高い質のものであれば100年以上はかかると言われています。つまり偶然の産物だから高いのです。(今はほぼすべての沈香属の全種はワシントン条約の希少品目第二種に指定されている)
今は植樹された沈香樹に故意にドリルなどで穴をあけたり、化学薬品を投入することで人工的に樹脂化させたものを採集した、栽培沈香(人工沈香)が作れるようになり、多様に使われるようになりました。当然ながら品質は天然沈香の方が格段に優れていて、伽羅(きゃら)は現在のところ栽培に成功していないそうです。