Web3の未来と多元主義について
こんにちは、テクナドです。
私は、普段シンガポールの米国系SaaS起業で働く傍ら、このnoteを通して自分の興味があるもの、刺激的な出来事等を発信しています。
本記事では、心身共に健康的でより豊かな生活を送るため、最新テクノロジー
(Web3 / NFT / メタバース)に関する有益な情報を発信しています。
<Web3の世界にハマったきっかけ>
私がWeb3の世界に興味を持ったきっかけは大学時代にさかのぼります。
大学一年生の夏、僕が通っていた大学で『Ripple社(米国)』のセミナーがありまして、Web3について何も知らない私はふらっと立ち寄ってみました。
そこではブロックチェーン技術の応用、デジタルIDやWeb3.0の将来的な応用に関するワークショップや、研究プロジェクトが実施されていました。
最近よく目にするブロックチェーン技術や、Web3.0の概念が普及してきたことにより、これまでにはなかったさまざまな可能性が開かれ始めています。
インターネットが出現した時のように、世の中に新しいテクノロジーが生まれる時は、みな宗教的だとか、何かに洗脳されているのではないか思うものです。
いまWeb3は、そういった意味で「人類の思考の最先端」を取り巻いている状況といえます。
『人生は自分だけのおもちゃだ』
僕はこの人生を通してのミッションを胸に「知らないことを知る・体験する」ということを大事にしています。
僕のnote記事ではWeb3について、初学者の方にも直観的に分かりやすく解説しています。
少しでも学びがあった、気づきがあったという方はスキ、フォローで応援よろしくお願いいたします。
Let`s step on a next journey together!!
多元主義とは
今回の記事のテーマは『多元論』これは個人、もしくは組織の意思決定に大きく関係するものであり、それらの将来を決定づけるのに必要な非常に重要な考え方です。我々の体は一つしかありませんので、日々の決定が将来に大きく影響することは自明です。
意思決定を知る際に現代の政治体制の根幹である民主主義では『多数決』という手法で意思決定を行いますが、これにはマイノリティの意見が反映されずらいなどの欠点があります。100対0の議論であればよいですが、もしも51対49の議論であればどうでしょうか。こういった結果であればどちらが正解かわかりません。
(J・S・ミルやベンサムの功利主義的視点からであれば51の方が選択肢としては正しいですが。。。)
より望ましい手法は「熟議」による意思決定プロセスですが、限られた時間と空間で、不特定多数の参加者が同時に議論することは不可能であるため、仕方なく「投票」という手段に頼らざるを得ないのが民主主義の現状です。
しかしながら、AIを活用すれば、この熟議プロセスを実現できます。
具体的には、今年4月にスタンフォード大学のHAIとGoogleの共同論文で発表されたGenerative Agents(以下、AIエージェント)などを活用します。実在する人物の性格を学習させたAIエージェント同士が、個々の感情をふまえた議論をして、人間がその結論に従うような世界です。
この世界観は、台湾のIT担当大臣オードリー・タンとグレン・ワイルが提唱した「Plurality(プルラリティ)」という思想に基づいています。
Pluralityとは、AIとWeb3のテクノロジーを使うことで、多様な意見を尊重し、人々が協働しながら妥当な解を導くことのできる多元主義の思想です。従来の民主主義をWeb3×AIで進化させたものとも言えます。
AIの議論をもとにした意思決定って大丈夫なの? と思うかもしれませんが、案を絞るまでの熟議プロセスはAIエージェントに任せ、最終的な意思決定は人間が行う方が、効率的かつ合理的だと考えています。
僕自身も今の日本の政治はこの意思決定プロセスを導入してもよいかなと感じております。。。
AI×Web3の可能性
◆ブロックチェーン技術
このように、AIとWeb3は相互補完できるような関係があり、ただの足し算的なことではなく、両方を掛け合わせることで、より活用や技術革新が漸進的に進んでいくと考えています。
Web3の根幹となるブロックチェーンは、AIを活用することで新たな価値がもたらされると考えられます。
例えば健康の分野では、大量のデータを集めることでAIを学習させ、診療や生活習慣指導の質を高めることが期待できます。しかし患者や情報提供者のプライバシーの問題が付きまとうのが現実です。
ブロックチェーンでは個人情報は個人によって管理されるため、プライバシーを保護した上で質の高いデータを集め、治療法などを発展させていくことが可能になると期待できるでしょう。
その上、AIの高度な応用においては、企業や国をまたいだ無数のソースからのビッグデータを用いることもあります。しかしそのようなデータの使用には、ノイズやバイアス、誤ったデータや改ざんされたデータに汚染されるリスクがあります。
ブロックチェーンは、AIが学習で使うためのデータを管理し、トレーサビリティーを担保することで、データの信頼性を確保することができます。ブロックチェーンではさらに、ネットワーク上の管理された学習データに誰もがアクセスできるようにもなります。
加えてプライバシーや「非中央集権」と関連した新しい機械学習の在り方として、連合学習(Federated Learning)も出てきています。これは、個々のデバイスやサーバーのデータを共有することなく、それらデバイスやサーバにまたがってモデルを学習していく機械学習の手法です。
連合学習は従来の機械学習と違ってデータを共有しない性質を持つので、データプライバシー、データセキュリティ、データアクセス権、異種データの活用など、企業や社会が考慮すべき重要な問題に対処しつつ、機械学習・深層学習の恩恵をもたらすことができます。
◆メタバースの特性
Web3ではメタバースがより発展し、身近になっていくと予想されます。
メタバースとは、インターネット上に作られた仮想空間のことです。人々は自由に選択したアバターを使用し、現実と同じように交流や生活、仕事をします。企業の従業員は同じオフィスに集まる必要がなくなり、メタバース上でコミュニケーションやプロジェクトの推進を行うことが可能です。また、日常的な買い物もメタバース上で行えるようになっていくでしょう。
このようなメタバースにおいても、AIは重要な技術となります。例えば、メタバースが人々の生活で重要性を増すためには24時間365日の絶え間ない管理が必要となります。そこでAIによる自動管理が実現の鍵になるでしょう。
DAOとの親和性
DAOとは、特定の所有者や管理者が存在せずとも、事業やプロジェクトを推進できる組織を指す言葉です。
正式名称はDecentralized Autonomous Organization(分散型自律組織)となっており、その頭文字を取ってDAOと呼ばれています。
DAOは、株式会社をはじめとする従来の組織とは根本的に異なっており、Web3.0が本格化する時代において盛り上がる組織形態として注目されています。
先日紹介したブロックチェーンの技術を活用したDAO的なコミュニティをより発展させるために、様々な領域でAIへの開発・研究が行われています。
AI×Web3、メタバースが実現する未来
もうひとつ、こちらも記事にしております『メタバース』が、AIエージェントの精度を高めるのに重要な役割を果たすため、その関係性についても触れます。
なぜなら、メタバース空間では、より多くの "人間らしいデータ" を取得できるため、AIエージェントの性格学習が進むからです。
これまでのデジタルデバイス、例えばPCやスマホの場合は、興味関心や位置情報のデータを”統計的に”取ることはできても、検索行動の前にある感情データまでを取ることはできませんでした。
結局のところ、人間を知るための強力なデータは、デジタルデバイスに触れているときではなく、何気ない日常の中にあります。より多くの人々がより多くの時間をメタバース空間で過ごすようになり、そのデータを取得できるようになれば、より精度の高いAIエージェントをつくることが可能です。
では、より精度の高いAIエージェントをつくれるようになった先に、どんな未来が待っているのか?
AIエージェントが描く未来
最も目を見張る変化だと思うのは、もう一人の自分となる超高精度なAIエージェントをつくることで、人生をパラレルに生きられるようになることです。簡単に言えばもう一つのパラレルワールドで別の人生を同時に歩めるということです。(ドラえもんのもしもボックス的なアレです)
現在の社会構造的常識では、我々は、基本的にひとつのパスしか通れません。例えば就職活動の意思決定において、3つの選択肢の中から1社に決めたとします。もし残りの2社を選んでいた場合にどうなっていたのかは、実際に働いてみないと想像することも難しいと思います。
(僕も就活してみてIfストーリーはよく考えます)
ですがAIエージェントの存在のおかげで、残り2つのパスを同時並行で試したり、事前にシミュレートすることが可能です。(これが割とデカい)
これに気持ち悪さを覚える人もいるかもしれませんが、パスを増やせるということは、より自分らしい選択肢を選びやすくなったり、よりよい人生を生きられることにつながります。
フィジカルには『日本国民』であり現在シンガポール在住の私ですが、Web3が実現する複数のデジタル国家に所属できる世界において、AIエージェントがより自分にあう国家を見つけてきてくれたり、ひとつの国家内でもAIエージェントが自分の代わりに議論してくれたりする未来がやってくるかもしれません。
(これがまさにオードリー・タンが提唱するPluralityの世界です。)
人生一度のパスしかないと思うと、大きな決断がしづらいこともあると思います。ですが、実際の"絵"としてリアルに見ることができれば「これは捨ててもいい」「この夢はめざしたい」のように思えてくるでしょう。
これは脳科学的にもホメオスタシスという脳のはたらきとして検証されており、自分の人生をどう生きればよいかわからない不確実な時代だからこそ、解像度の高い未来予想図を見られることの重要性は増すと考えています。
今回は割愛しますが、医療、エンタメ、人材開発、国家運営など、AIとWeb3の可能性はさまざまな領域で見えてきています。いまのスピード感であれば、来年はもっと色んな事例が出ていることと思います。
最後に
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