グラミー賞と音楽の科学：なぜ私たちは音楽に魅了されるのか？
毎年2月にロサンゼルスで開催されるグラミー賞は、音楽業界において最高の栄誉とされています。
今回の2025年６７回目のグラミー賞に選ばれたのはチャペルローンです
クィアとしてのキャラクターが前に出ることが多いですが、歌唱力、作曲作詞となんでもできてしまうので驚きですね。
彼女については個人的にも書きたい内容がいくつかあるので、また他の機会に書きます！
アーティストの才能や創造性を称えるこのイベントですが、そもそも私たちはなぜ音楽に魅了されるのでしょうか？音楽が人間の脳や感情に与える影響について、科学的な見解をまとめてみました。
音楽は「報酬系」を刺激する
音楽を聴いたとき、脳内ではドーパミンと呼ばれる神経伝達物質が分泌されます。これは、快感やモチベーションを生み出す物質で、食事や運動、恋愛の喜びと同じメカニズムで分泌されることが分かっています。研究によると、特に感動的な音楽を聴いた際には、脳の「報酬系」と呼ばれる領域（側坐核）が活性化することが確認されています。
音楽は「神経可塑性」を促進する
神経可塑性とは、脳が環境に適応して変化する能力のこと。音楽を聴いたり演奏したりすることで、脳の神経回路が強化されることが知られています。たとえば、楽器を習得することで、言語能力や記憶力が向上するという研究結果もあります。
グラミー賞受賞アーティストの楽曲に隠された科学
グラミー賞を受賞する楽曲には、科学的に人々を引きつける要素が含まれていることが多いです。
1. 黄金比
音楽理論では、「フィボナッチ数列（黄金比）」が旋律やコード進行に影響を与えることが知られています。たとえば、アデルの「Someone Like You」やビリー・アイリッシュの「bad guy」もそうですが、数学的に心地よいリズムやコード進行が組み込まれていることが多いそう。
2. 予測と驚き
脳は、パターンを予測しながら音楽を楽しみます。しかし、完全に予測可能な曲は単調になりすぎるため、適度な「意外性」や「変化」が求められます。
3.和音
映画音楽などでよく使われる「サスフォー（sus4）コード」や「ディミニッシュ（dim）コード」は、緊張感を生み出し、リスナーの感情を揺さぶる効果があります。
音楽と健康：科学が証明する「音楽療法」の力
音楽は単なる娯楽ではなく、医学や心理学の分野でも重要視されています。
1. ストレス軽減
ゆったりとしたクラシック音楽や自然音を取り入れた楽曲は、コルチゾール（ストレスホルモン）の分泌を抑え、リラックス効果をもたらすことが分かっています。例えば、ヨーヨー・マのチェロ演奏や、エンヤの楽曲がリラクゼーションに適していると言われています。
マサチューセッツ工科大学（MIT）の神経科学者ロバート・ザトーレ博士によると、「音楽は自律神経を整え、不安やストレスを軽減する手段として有効である」とされています。
2. 痛みの緩和
音楽が痛みを和らげるという研究もあります。例えば、手術後の患者が音楽を聴くと、鎮痛剤の使用量が減少することが確認されています。特に、クラシック音楽やヒーリングミュージックが効果的です。
3. 認知症予防
アルツハイマー病の患者に懐かしい音楽を聴かせると、記憶がよみがえり、会話が活発になるという事例も報告されています。これは、音楽が脳の海馬を刺激するためと考えられています。
4. まとめ：音楽は科学とアートの融合
グラミー賞で評価される楽曲には、単なる感性だけでなく、脳科学や数学的法則に基づいた要素が組み込まれていることが分かります。音楽は、感情を揺さぶり、記憶を呼び覚まし、さらには健康にも良い影響を与える力を持っています。
次にグラミー賞の受賞曲を聴くときは、「この曲はなぜこんなに心地よく感じるのか？」という視点で楽しんでみてはいかがでしょうか？音楽の背後にある科学を知ることで、より深くその魅力を味わえるはずです。。。
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