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ずっと姉だと思っていたけど、実は恋人でした。



母:あの子....また寝てるの? 〇〇、ちょっと起こしてきて。

〇〇:えぇ...またぁ?

母:今手離せないの。

〇〇:.....わかったよ。もう。


階段を登り、姉の部屋に行く。朝の貴重な時間が台無しだ。


コンコンコンッ


〇〇:姉ちゃーん。朝だよ。起きな。


シーン


〇〇:もう.....


ガチャ


〇〇:入るよ。

あやめ:んん......んぅ....

〇〇:朝飯できてるよ。

あやめ:......んぅ....うるさい...

〇〇:うるさいって....学校遅刻しても知らないからね。

あやめ:............


顔すらこちらに向けてくれない。



バタンッ


あやめ:........行っちゃった...。

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学校


△△:おはよー。

〇〇:おはー。

△△:今日も朝から筒井先輩の御尊顔を拝めて来たのか....お前は。

〇〇:別に拝んでねぇよ。

△△:いいなー、いいなー!俺も姉ちゃんが可愛かったらなぁー!


筒井あやめは、俺の一つ上の姉。朝のやり取りをご覧になった通り、仲が良いという訳ではない。

小さい頃は、いつも一緒でよく遊んでいたのを覚えているが、中学に上がった辺りから姉が冷たくなった。

まぁ、姉弟なんてそんなもんだろう。


△△:なぁなぁ、筒井先輩って好きな人とかいんのかな。

〇〇:しらねぇよ。

△△:んだよー。....まぁあんだけ人気なら、彼氏くらいいんのかな....


この高校で、姉は中々に人気らしい。まぁ顔は整っているし当然と言えば当然か。


〇〇:.....彼氏...ねぇ...。


そんな様子は伺えないが、姉の好きな人が誰なのか、気にならないと言えば嘘になる。


△△:お前もイケメンなんだから、作んないの?

〇〇:いやぁ...俺はいいかな。

△△:もったいねー。てかさ...やっぱり筒井先輩と〇〇って...似てねぇよなぁ。

〇〇:似てない姉弟だっている。


昔から、周りからは似てないと言われる。まぁ、女と男なんだから、そんな似られても困るから良いのだが。

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放課後


ザァー ザァー


〇〇:うわ、すげぇ雨。傘持ってきといて良かったー。

あやめ:げ.....

〇〇:あれ、姉ちゃん。傘は?

あやめ:持って来てないよ....朝急いで出て来たから。

〇〇:あんだけ起こしたのに、起きないからだよ。

あやめ:....いい。濡れて帰る。


そう言うと、あやめは屋根の下から飛び出そうとした。


〇〇:おぉ、おいおい。風邪引くって。傘入れてやるから、一緒に帰ろ。

あやめ:え、えぇ....いやぁ....

〇〇:何?そんなに俺の事嫌い?

あやめ:ち、違う! 嫌いな訳ないし...そういうんじゃなくて...モゴモゴ

〇〇:?? ほら、強くなる前に帰るよ。

あやめ:んっ// ....うん。


出来るだけ姉に身を寄せて、二人で傘の中に入った。

〜〜

ザァー


ビニール傘に雨が当たる音が聴こえる。

姉とこうやって二人で帰るのも久しぶりだ。


〇〇:お、あれ見て。相合傘してる笑 カップルかな。

あやめ:.....私達もしてるじゃん。

〇〇:確かに笑 側から見たらカップルに見えてんのかな笑

あやめ:......///

〇〇:あ、そうだ。姉ちゃんって好きな人いんの?

あやめ:んん!? な、なに急に!?

〇〇:今日友達と話しててさ。彼氏でもいんのかなぁとか。

あやめ:.........〇〇は..私に彼氏がいたら....嫌?

〇〇:え? いや....別に...何その質問笑

あやめ:.........なんでもない。

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母:学校どうだった?

〇〇:楽しかったよ。

あやめ:......私も。

母:そ、なら良かったー。


父は帰りが遅い為、いつも3人で夕食をとる。近況だったり、悩みだったり。いわゆる家族団欒の時間だ。


母:〇〇君、ご飯のおかわりする?

〇〇:ぶっ...ゴホゴホっ! な、なんだよ急に〇〇"君"って笑

母:あら、今〇〇君って呼んでた? 昔の癖が出ちゃったのかしら。

〇〇:なんで息子のことを君付けするんだよ笑

母:だって初めて会った時は赤ちゃん相手でも少し緊張したんだから笑

〇〇:........ん? 何言ってんの?笑

母:だから、初めて会った時は緊張したって...

〇〇:初めて会ったって何?母さんが産んだんでしょ?

母:え....あ...そうか....これまだ言ってなかったっけ。

母:〇〇は私の実の子じゃないよ?

〇〇:え?

あやめ:ん?

母:私の子があやめで、お父さんの子が〇〇。シングルファザーとシングルマザー同士で結婚したからね。つまり二人は義理の姉弟ってわけ。

〇〇:............。

あやめ:..............。

母:いやー、まだ言ってなかったか笑 ま、言っても変わる訳じゃないしね。

母:お父さんと名字が筒井で一緒だった時は運命感じたなぁ....あやめが1歳で〇〇が0歳。あやめと〇〇もすぐ仲良く・・


母は思い出に耽って、一人で気持ちよく喋っている。

そんな事に耳を傾ける程、内情は落ち着いていなかった。


〇〇:........チラッ

あやめ://///

〇〇:(なんで顔赤くしてんだよ.....意味わからん...)

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時計の針が12を周っても、意識を落とす事が出来なかった。


〇〇:(....俺姉ちゃんと血繋がってなかったのか...)

〇〇:(言うの遅いって....母さん...)


目を瞑っていても思考が巡る。


ガ....チャ....


不意にゆっくりと扉が開いた気がした。


〇〇:(.......誰だ?)


ガサゴソ ガサゴソ


〇〇:.......ん.....


ゆっくりと毛布が開かれていくのを感じる。


??:ん.....へへ//

〇〇:(この声......姉ちゃんか!?)


背中側温かかった。お腹側に手が周り抱きしめられている。


あやめ:〇〇.....起きてる?

〇〇:............


ここは寝たふりをしておこう。


あやめ:寝てるか......私達..血が繋がってないんだって....


さすがに、姉ちゃんでもショックを・・


あやめ:....やったぁ//

〇〇:!?


抱きしめる強さが増して、姉は耳元で話し始めた。


あやめ:これで〇〇と付き合える//


え?


あやめ:小さい頃に結婚するって約束したの覚えてるかなぁ....

あやめ:その日から私は〇〇と付き合ってるつもりだったんだけど....さすがに姉弟だからって諦めてたの。


あぁ、だから冷たくしてたのか。.....ってそうじゃなくて!


あやめ:でも....血が繋がってないって事は...本当に結婚出来ちゃうね//



怖いよ、姉ちゃん。そんなに強く抱きしめたら千切れちゃうよ。


あやめ:明日からも.....よろしくね...彼氏さん//


チュッ


最後に僕の頬にキスをして、姉は部屋を出て行った。


バタンッ


〇〇:........ま、マジかよ//


頬をさすりながら、再び目を閉じた。

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翌朝


あやめ:.....〇〇...今日も起こしに来てくれるかな...


コンコンコンッ


〇〇:姉ちゃん!遅刻すんぞ!

あやめ:..............

〇〇:はぁ........


ガチャ


〇〇:ほら、姉ちゃん起きな。

〇〇:が、学校....一緒に行くんだから//

あやめ:え!?

〇〇:なっ! 起きてんのかよ!も、もう先に行くから!

あやめ:あー! 待ってよぉ!〇〇ー!


いつもの同じ朝だけど、いつもと違う朝。


どうやらもう、普通の姉弟ではいられないようです。

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                Finish




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