幼馴染兼後輩が、僕を恋に落としに来ました。
天:ねぇー!いーやーだー!!
〇〇:嫌だっつったって、仕方ねぇだろ笑
天:卒業しないでぇー!!
〇〇:もう卒業すんのー!
今でも昨日の事みたいに思い出せる。
卒業証書を筒に入れて、皆んなと写真を撮ろうとする僕の事を捕まえて離さない。
高校の卒業式。
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天:わたし、〇〇とけっこんする!
〇〇:え?笑
これが幼稚園の頃の約束。
〜〜
天:私、〇〇と同じ高校行く!
〇〇:お、おう....じゃあ頑張れ笑
天:だから勉強教えて!
〇〇:はいはい笑
これが中学の頃の約束。
天とは小さい頃から、ずっと一緒だった。一個下の妹みたいなもの。
いつでも僕の後ろを着いてきて、小学生の頃身長を越されたのは少し悔しかったけど、それも全部思い出。
恋愛感情とか、そういうんじゃなかった。
〜〜
そして今は.....
△△:....〇.......〇〇!
〇〇:んぁ! な、なに?
△△:なに?じゃねぇよ。何回も呼びかけたわ笑
〇〇:あぁ、ごめん。ちょっと考え事してた笑
△△:......女?
〇〇:違うわ笑
まぁ違くは無いんだけど。 久しく聞いていない、あの「約束」って言葉。
不意に思い出してしまった。
△△:学園祭まであと3日だぞ。頼むぜ〇〇君。
〇〇:いや、内容ほぼ決まってんじゃん。
△△:違くて、俺が彼女作れるかどうかまで後3日って事。
〇〇:学園祭で彼女作ろうとしてんのかよ笑 来んのかねぇ...女子なんて。
△△:ばっかお前、大学の学園祭だぞ!そりゃー来るだろ!
〇〇:そんなもんかなぁ....
△△:誰か良い子紹介してくれよぉ〜
大学に入って初めての学園祭。
友達が期待させるような事を言うもんだから僕も少し期待してしまう。
徐にスマホを見ると、天とのLINEが気になった。
最後に話したのは、僕が高校を卒業してから一ヶ月くらい。
天L:〇〇と一緒の大学に入れるように頑張る!
〇〇L:おぉ笑 待ってるぞー。
この会話で終わっている。
今、天は元気にしているのだろうか。
△△:ふーん...てん?って読むの?これ。
〇〇:うおぁ!勝手にスマホみんな!
△△:いいじゃんかよー。で、この子誰よ。好きな子?
〇〇:ち、違うわ!幼馴染だよ!一個下の! ...妹みたいなもんだよ...
△△:へー.....ニヤニヤ
〇〇:ニヤニヤすんな!
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学園祭 当日
女1....うーん...
女2:....やっぱり...
△△:なになに、どうしたん。
〇〇:?
同じサークルの女友達二人が、〇〇の事を訝しげに見ている。
女1:うん、やっぱ交代。
△△:なにが?
女2:衣装着てキャンパス内歩きながら案内するの、△△から〇〇に交代。
△△:え?なんで?
女1:〇〇の方がカッコいいから。
△△:なっ!? なんだとぉぉぉおお!!
女2:ほら〇〇こっち来て。
〇〇:え?な、なになに!?
女子二人に手を引かれ、鏡の前のテーブルに座らせられる。
〜〜
女1:せっかくカッコいいのに前髪長いから目隠れちゃってるじゃん...
女2:ワックスあったっけ。
〜〜
女1:イヤリングとか付けよっか。
女2:いいね!んじゃ後はー....
〜〜
あれよあれよという間に、鏡の前の自分は変わっていった。
△△:おぉ.....確かに...カッケェな。
女1:完成!ほら!さっさと案内して来なー。
女2:いっぱい連れて来てねー。
〇〇:ちょ、そんないきなり...
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「何年生ですか!?」
「彼女いるんですか!?」
「どこのサークル所属!?」
外に出ると、もう大学の敷地内は人で溢れていた。割と人気の大学なのは知っていたが.....
それより、いきなり人に囲まれるとキツい...
〇〇:い、いやぁ....一年生で、彼女はいないですね、はい....。
〇〇:サークルは・・って、うわぁ!
多くの女性の間をすり抜け、一際スタイルの良い女性が僕の手を取って走り出した。
〇〇:な、なになに!誰!?
〜〜
〜〜
〇〇:っはぁ...はぁ...ちょ、ちょっと...誰...
??:....忘れたの?
〇〇:え?
息切れして俯いた顔を上げると、そこには人生で一番見たであろう女性の顔があった。
〇〇:っあ! て、天!?
天:せーかい! 良かったぁ!....忘れてなくてギュッ
〇〇:ん...急に抱きついてくんな。てか...何でここに?
天:.....いいじゃん...ちょっとぐらい抱きついても...この鈍感男ボソッ
〇〇:は?
天:天ちゃんがはるばる会いに来たの! 大学を案内しろ!
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天:....なんかチャラくなっててムカつく...
〇〇:今日だけだよ笑 女子の友達にセットされてさ笑
天:女子の....友達....ギュッ
〇〇:ん..// 急に腕絡めてくんな。
天:....いいじゃん、久しぶりなんだし...〇〇は色んな女子に囲まれて鼻の下伸ばしちゃってさボソッ
久しぶりに会ったからなんだろうか。何となく"幼馴染"って感じがしない...。
〇〇:き、今日は...何しに来たんだ?
天:.....大学の...下見。
〇〇:下見?
天:もう!覚えてないの?〇〇と同じ大学行くって"約束"したじゃん!
あ、約束。久しぶりに聞いた。
天:見て!これ!
〇〇:ん?
天はポケットから紙を一枚出して、僕の目の前に突き出した。
□□大学 C判定
それは、模試の結果だった。
〇〇:C判定!?すげぇじゃん!
天:ふふん! でしょー!
正直、天には厳しいと思っていた。でも、C判定を取れるまでになっている。
〇〇:良く頑張ったな!すげぇよ!
天:いや...うん...そんなに褒められると//
〇〇:僕に褒められると照れる癖、治ってねぇのな笑
天:ぐぬぬ....い、いいから行くよ!
天はまた僕の手を取って歩き始めた。
大人になったのは見た目だけで、中身は無邪気なまま変わっていなかった。
それが嬉しかった。
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〇〇と歩くのが楽しくて繋いでる手をブンブン振って歩いたから腕が疲れた。
日が沈んで、夕日が少しだけ差し込んでいた。
天:.....もう帰らないと...
〇〇:そか....受験..頑張れよ?応援してる。
天:....あーあ、彼氏でもいればもっと頑張れるんだけどなぁ...
〇〇:..........
天:.....鈍感ボソッ
私がここまで言っても気づかないのか。
天:問題!
〇〇:うわぁ!何いきなり!
天:天ちゃんが学園祭に来た理由は何でしょう!
〇〇:え?
天:①大学の下見!②幼馴染に会いに来た!
③好きな人に会いに来た...
天:せ、正解は.....一つだから...
〇〇:っ.......
ほら気づけ!気づいて!
〇〇:さ、3番....とか?
天:り、理由は!?
〇〇:いや....僕が...そうだったら嬉しいなぁって
天:ん!!
思わず、目を逸らす。
天:私は....幼馴染から...こ、恋人になりたいなぁって思ってるんだけど.....//
本当の事を言ってるんだから、もう気づいてよ。いつもの、冗談じゃないよ?
天:第二問...."だけど"の続きを考えなさい..//
〇〇:.....ふーっ.....
あぁ、緊張する。模試なんかより、全然。
〇〇:....付き合ってください....とか?
天:.....うん...まぁ...正解///
〇〇:天、こっち見て。
天:へ? あっ....///
私は気づいたら〇〇に抱きしめられていた。
〇〇:僕も好き。.....大学で待ってる。
天:うん....絶対行く。〇〇に会いに。
〇〇:....それにしても..告白の時の天...いつもの感じじゃなかったなぁ笑
天:む! うるさいぞ!〇〇のくせに!
〇〇:あはは笑
良かった。簡単だった、この問題。
だけど、何年も解けない問題だったんだ。
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天:〇〇ー!!! 受かったぁぁぁぁぁ!!!
〇〇:おぉ!良かった...って、うぶっ! 急に抱きついて来んな!
天:良いじゃーん、もう"彼女"なんだからさ!
最終問題
〇〇と結婚する方法を考えなさい
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Finish
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