「はやぶさ」に学ぶ「失敗ゼロ」の思考術
「失敗」が怖くて動けなかったことはないですか?明確な「失敗」はしないとはいえ「こんなレベルじゃだめだよな」と、「完璧さ」を求めて行動に移せなかったことはありませんか?
今日は、そんな「行動できない自分」を今日から「行動できる自分に」変えることのできる考え方のコツをお伝えします。
「はやぶさ」について
2014年12月3日 に種子島から打ち上げられた
小惑星探査機「はやぶさ2」の
カプセル帰還が明日12/6と迫りました。
関係者の皆さんの緊張と安堵の顔が
目に浮かびます。今日はその前身の初代
「はやぶさ」プロジェクトから、
フットワークが軽くなるヒントを
お届けします。
行動できないとき、頭の中では何が起きているか?
行動できないのは、いままで経験した
ことがないこと。または、以前やったけど
うまくいかなかったことですよね。
このどちらもに私たち人間は「恐怖」を
感じるようにできています。
「うまくできなかったらどうしよう」
「まだ準備が整っていないから」
「これだけのお金をかけて成果が
得られなかったら?」
という完璧主義。
「以前うまくいかなかったし」
「あの時のような想いはしたくない」
という学習性無力感によるもの。
いずれも成長を阻害していることに
違いはありません。
失敗しなければいい
行動できないのは、得られるリターンを
「たった一つに絞っている」ときに
起きやすいものです。
例えば、「テストの点数が80点以上
だったらご褒美をもらえる」という
シチュエーションを考えてみましょう。
「80点なんて不可能だよ!どうせ
ご褒美もらえないならがんばるのなんて
無駄じゃないか。」となります。
そんな時は、
失敗しないようにタスクを設計します。
つまり、行動できただけでプラスの評価が
できる、裏のミッションを作っておくのです。
勉強をしただけで、いままで学べなかった
ことが学べる、そんな意味を追加するんです。
これは、僕がとあるカフェで勉強会を
開いたときのことです。僕はその勉強会の
開催を迷っていました。
「僕の呼びかけに誰も反応せず、
一人だったら悲しいな。かっこ悪いな。」
そんな風に考えていました。
その時、はやぶさとの通信が途絶え、
地球に帰還できるかわからなくなった時の
記者会見を思い出しました。
会見の場で「はやぶさはミッションに
失敗したのではないか?」との記者からの
問いかけに、当時のプロジェクトマネージャ
川口淳一郎さんが返した一言です。
記憶が曖昧なのですが、たしか以下のようなニュアンスでした。
「はやぶさは数千のミッションからなる、
プロジェクトです。イオンエンジンの検証
から、機体の制御、イトカワの試料の収集、
帰還。ここに至るまでに、我々は何百もの
タスクをすでに成功させています。だから、
今回の帰還自体はチャレンジングな
タスクの一つなんです。」
この話を誰かに伝えるとき、僕はいつも
泣きそうになります。
「そっか、行動に対していくつもの
意味を持たせれば、どんな行動にも失敗は
ありえないんだ!」と思わせるエピソードの
一つとして大切に感じています。
減点方式か?加点方式か?
新しいチャレンジにはリスクが伴います。
そのチャレンジを100点満点の減点方式で考え、
うまくいかなかった部分を減点していくと、
人は恐怖で行動をしなくなります。
でも、行動できたことを1つでも
100点満点中の100点としたなら
うまくいったすべての事象は、
200点、300点、400点と、
より高い評価を称える方向に働きます。
それが、よりチャレンジできる方向に、
伸びていくことができる秘訣です。
まとめ
2つ以上の意味を持たせる
減点方式ではなく加点方式にする
はすぐにでも使えるテクニックです。
これを読んで、「なんだ、そんなことか?」
と感じました?でも、人が行動をするか、
しないかは、こんな「そんなこと」の連続の
中にあります。
「心理テクノロジスト」は、
テクノロジーを通して、心の抵抗を
軽くしたり、チャレンジできる人を
ふやしていく、そんな活動をしています。
ぜひご自身の成長のために活用して
みてください。
参考資料:
https://www.ieice.org/jpn/books/kaishikiji/2011/201110.PDF