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【新卒営業オンボーディング】~営業職以外の新卒も合同で実施してみた~

はじめまして。
LIFULLのセールスイネーブルメント担当のM枝です。

さて、LIFULL初の新卒オンボーディング(以下ONB)から早一年、今期もセールスイネーブルメントにて新卒を預かり、ONBを実施しました。

LIFULLのセールスイネーブルメントは「成果を出し続ける個人と組織を創出」を掲げ、営業プロセスの型化や標準化、学習の文化醸成を行う一環として、営業職の新卒オンボーディングも担っています。

今期はLIFULLでは前例なき「営業配属以外のメンバーを含めた新卒ONB」となり、企画職やマーケターなどの新卒も合同で実施することになりました!
職種や担当マーケット(※1)によって研修プログラムを分けるなど、新たな取り組みにも挑戦しました。
活動内容をまとめましたので、少しでもご参考になれれば幸いです。

【1】ONBの目的とゴール

昨年同様に①目的とゴールを決め、②90日マップで月ごとに必要な研修を大まかに洗い出し、研修プログラムへ落とし込みました。また、今年は③学習フェーズ表を作成し、メンバーごとにONBの進捗を管理しました。

①目的とゴール

【目的】
成果を出し続けるための営業の型を身につける

【ゴール】
● LIFULL HOME’S営業として必要な知識とスキルを習得できている。
● 振り返りで成功要因と課題を言語化し、ネクストアクションを立てられる。
● Salesforce​​などDXツールで行動計画からスキル改善まで利活用ができている。

【方法】
● 学習を定着させるために、インプット(座学)とアウトプット(実技)を繰り返すプログラムをつくる。
● 学習フェーズ表で、メンバーの進捗や理解度を可視化し、個別にサポートをする。

②90日のマップ

月ごとにゴール像を設定し、習得するべき知識やスキルを大まかに洗い出す。業務とメンタル面で起こりうることも予め想像する。

③研修フェーズ表

「前進の基準」の条件を満たしたらフェーズをクリアできる。研修の進捗やつまづきポイントが一目でわかる。各フェーズの滞在日数も別シートでカウント。

【2】ONBプログラム

今期は計10種のプログラムを用意しました。前半は全員共通でますが、後半は職種によって受講対象が変わります。

🖊️座学

👤対象:全員

「全員共通」と「担当マーケット別/職種別」で受講プログラムを分ける。先輩講師によるZoom研修とMTH(※2)で約130コンテンツを受講。

(左)MTHのコンテンツ例。動画やテキストで受講を終えテストをクリアすると「習得バッジ」を獲得できる。(右)座学コンテンツ一覧表。メンバーによって受講内容が異なる。

Good
● 受講のコンテンツを担当マーケット別に分けたことで専門性を高められた。
● Zoom研修は質問をその場で解消できたり講師や同期とコミュニケーションをとる機会になれた。
● MTHは倍速視聴やテキスト(文字起こし)を見ながらなど、自分に合うインプット方法で受講ができた。

🌞朝のチェックイン

👤対象:全員

毎朝Zoomに集合して日替わりテーマを一人1分スピーチ。朝のウォーミングアップやリフレッシュが目的。

【Good】
● 毎朝集まることで在宅時も始業の切り替えができた。
● スピーチを聞きあうことで相互理解を深められた。
● 同期とコミュニケーションを楽しめる時間になれた。

🌛メンターとの振り返り

👤対象:全員

毎日の研修終了後にメンターと振り返りを実施。ONB期間中は営業部のメンターが一人ずつ新卒に担当でつく(新卒の職種を問わず)。

【Good】
●メンターへ一日の学びや気づきをアウトプットしたり、疑問をこの場で解消することができた。
● メンターの存在が心理的安全性に繋がっていた。
● メンターから営業現場のリアルな話を聞くことができた。

📝日報投稿

👤対象:全員

一日の研修報告と翌日の目標などをSlackの日報チャンネルへ投稿。

Slackにより部を越えてフィードバックやリアクションをもらうことができた。

【Good】
● 日報作成によって内省が習慣化された。
● 読みやすい書き方などアウトプットに工夫が見られた。
目標設定や行動計画などの意識を高められた。
● 先輩のフィードバックから新たな視点を得られた。

💯理解度テスト

👤対象:全員

「全員共通」と「担当マーケット別」で計2回実施。座学の定着度や理解不足な箇所を可視化できた。

テスト問題の作成は既存の営業へ依頼。新卒は合格点をクリアするまで再テスト。

【Good】
● テストに向けて学習の再整理や復習ができた
● テストを意識することで、日ごろのインプットの質を高められた
● 不明点や「分かったつもり」だった点を確認できた。

💻アウトプットタイム

👤対象:営業

一人1テーマずつ担当し、「来期の新卒に説明する」想定でペライチ資料を作成して発表。聴き手は来期の新卒になりきり、発表者の知識を引き出すために質問をする(知っていることでもあえて質問をする)。

新卒作成のペライチ資料。

Good
● 準備を通して担当マーケットの理解を深められた
● ペライチ資料の作成やプレゼンの練習ができた。
● 同期の発表を聴くことで知識の整理ができた
● 人に説明できるレベルにするためにインプットする情報量が、座学でひたすらインプットしていたときより相当多かった

🎬ロープレ

👤対象:営業職・事業戦略職

仮商材ロープレ」「商品説明ロープレ」「提案ロープレ」の3種類を行い、それぞれ評価シートを元にフィードバックをもらう。

提案ロープレチェックシート例。相手役がロープレの評価とコメントを入力。

Good
● 商品の説明だけでなく「意義」まで話せるようになった。
● 実商談を想定して先輩の商談音源を聴いたり、インプットをし直すなど全体的なレベルアップが図れた
● グループを越えて様々な先輩が相手役になり、コミュニケーションをとることができた。

👣営業同行

👤対象:サービス企画職・マーケター

営業の商談に同席してクライアントが抱える課題を直接聴き、課題への「仮説」と「結論」を個人ワークで考える。導き出した結論は同行した先輩営業へ提出。クライアントの課題を引き出すためのヒアリングや商談の流れも学習

新卒の同行記録より。「空・雨・傘」のフレームワークでクライアントの問題解決を考える。

Good
● LIFULL HOME’Sの課題感や期待されていることなど、クライアントの本音が聴けて貴重な体験になった。
● クライアントの実務や実態を直接知ることができた。
● 同行から営業のコミュニケーションの取り方商談の進め方を知ることができた。
● ワークを通してクライアントの真の課題を考えることができた。

🎤ファイナルプレゼン

👤対象:事業戦略職・サービス企画職・マーケター

配属先の上長や先輩に向けて「ONB中の取り組みと創意工夫」「担当マーケットの3Cまとめ」「営業同行のまとめ」を発表。上長や新卒同期から感想とフィードバックをもらう。

メンターにプレゼン内容を壁打ちをしたり、新卒同士で発表の練習をしていた。
プレゼン後は新卒間でフィードバックシートに記載。

Good
● 発表に向けて学びのまとめ直しや仮説立て&調査をすることができた。
● 緊張感をもって挑むことができ、配属先や周囲から身になるフィードバックをもらえた
● 同行で導き出したLIFULL HOME’Sの課題や今後の施策を配属先へアプローチできる機会になった。

🎥ベスト商談の提出

👤対象:営業職

実クライアントとの商談の録画/録音を配属先上長が聴き、フィードバックと「独り立ちOK」の判定をもらう。

Miitelの応対記録より。商談中の感情やラリー回数などがスコアでわかる。

Good
● 3ヵ月の学びを上長に披露し、直々にフィードバックをもらえる場となった
● ベスト商談として残す意識をもって商談に挑むことができた


【3】ONBを終えて…

■ONBアンケート
ONBアンケートにて新卒は概ね「満足以上」と高評価!配属先の上長とメンターは「やや満足」が目立ちました。こちらはONBの振り返りにて問題と原因を考えました。

■7月度営業成果
独り立ち後の7月度営業にて、新卒2名が目標達成しました!他にも初受注など嬉しいご報告がありました!
もちろん新卒メンバーの努力や配属先のサポートもありますが、ONBが早期戦力化に貢献できていたら幸いです。


【4】ONBの問題と解決策

新たな試みも多かったからこそ、昨年よりも問題がたくさん出てきました。今回は5点ご紹介します。来年度のONBに向けて解決策に取りかかります。

❶ONB全般:配属先とONBゴール像の相違問題

【😮問題
配属先とイネーブルメントでONBの目的やゴール像に相違があった。よって、配属先が学ばせたい項目とONBの内容にズレが生じた。
【🤔原因
イネーブルメントがONBプログラムを考案して配属先へ共有する流れが多く、配属先の同意を得られていないまま進んでいた。配属先の意見の吸い上げが足りなかった。
【💡解決策
次期ONBまでに目的やゴール像を一部の営業と共創する。その上で必要な研修、企画、期間など実施方法を再考する。

❷座学:質問の未回答問題

【😮問題】
MTHの受講中に出てきた疑問/質問に対し、リアルタイム(または当日中)な回答ができなかった。
【🤔原因】
MTH学習で出た不明点に対し、質疑応答の時間や場の提供ができていなかった。「質問シート」を用意したが、回答側の営業から認識されにくく運用が不十分だった。
【💡解決策】
Slackで質疑応答専用チャンネルを作成し、一部の営業をアサインして回答してもらう。新卒が先輩へ個別に質問をした場合は、その質問内容と回答を新卒間で共有できるシートを用意する。

❸座学:MTH学習の過多問題

【😮問題】
座学はMTH学習の割り合いが多く、個人ので受講が続いたため理解不足や疲弊が見られた(MTH8:Zoom2)。
【🤔原因】
MTH学習は講師がいないため、質疑応答やワークがなく、コンテンツによっては理解が深まりにくかった。Zoomの研修講師(営業)の工数を気にするあまり、MTH学習の割り合いが増えてしまった。また、談話の機会がなく黙々と学習をする時間が長かった。
【💡解決策】
研修コンテンツごとにZoomとMTHのどちらが適切か判断軸を設け、学習方法の見直しをする。Zoom研修は外部講師への委託を検討する。座学中は新卒同士の歓談や情報共有をする時間を設ける。

❹ロープレ:難易度の急上昇問題

【😮問題】
提案ロープレは実クライアントを想定し、商談の流れを組み立てるロープレのため、難易度が急激に上がり戸惑うメンバーがいた。
【🤔原因】
段階的なロープレ学習が足りなかった。実商談に必要なツールや準備の把握が足りなかった。
【💡解決策】
「部分ロープレ」を導入し、商談をプロセスごとに練習する(例:クロ―ジングのみのロープレ)。仮商材ロープレの回数を増やし、商談のプロセスの本質を理解する。提案ロープレの準備物を洗い出し、準備方法を学ぶ時間を確保する。

❺ロープレ:商談の見本動画不足問題

【😮問題】
配属先によって商談の見本となる録画や音源が無く、商談のイメージができずに苦戦した。
【🤔原因】
商談の記録状況が配属先によってバラツキがある。特に大手担当部署は、商談を録画すること自体が難しく動画の用意がない。
【💡解決策】
後輩育成の一環としてbellFaceやMiitelによる商談の録画を営業部全体へ促進する。部門やクライアントによっては録画が難しいため、営業による見本用の商談動画を作成する。


【5】ONB後のフォローアップ

ONB終了後もイネーブルメントにてサポートを続けたく、営業職の新卒を中心に以下の活動をしています。

■ 雑相タイム(任意参加)
毎週金曜日にZoomで「雑談・相談」会を実施(15分)。
仕事からプライベートまでざっくばらんに話ができる場にしています。

■ 1on2
「新卒1名:イネーブルメント2名」で不定期で実施。近況の確認をはじめ、困りごとやサポートできることがないかを聴いています。イネーブルメントは新卒の評価者ではないため、本音を話してくれる方が多く解決策をともに考えます。

■ 月次振り返り会
MBR(Monthly Business Report)シートに月の振り返りを記載し、発表と質問をし合います。事象ではなく根本要因を考えることと、ネクストアクションを具体的に描くことに重きをおいています。
※参考:WBR勉強会を実施しました


【6】さいごに

ONB初年だった昨期をベースに、今期は新たな試みに挑みました。営業職以外も含む初の合同ONBのため不安も多々ありましたが、配属先やメンターの方々、研修の講師やコンテンツ作成を引き受けてくださった方々、そして熱心にONBを受けられた新卒の方々のおかげで、無事に終了できました。新卒はとても前向きでアグレッシブで、積極的に意見もくれました。とても頼もしくLIFULLの未来は明るいと感じました。
ONBは企画から実行まで組織の協力が不可欠であり、イネーブルメントはプロジェクトを円滑に推進させる管理者であることを、改めて実感しました。
新たな問題もたくさん出ましたので、来期に向けて挑戦していきます!

ご覧いただきありがとうございました。
LIFULLという会社が少しでも気になった方はこちらもご覧ください。


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