検討している成形技法について


(8月分の活動報告です)

こんちには、デジタル工芸です。
(このデジタル工芸という名前、仮でつけたものなので、そろそろしっかりしたプロジェクト名を付けなきゃなと考えております。)

さて、本題ですが、私たちは本プロジェクトにおいて、「ガラス 」と「陶磁」での工芸品製造を検討しています。
製造の前半ではデジタルファブリケーションを有効活用する予定ですが、後半では従来の成形方法を用いるので、
今回のnoteは本プロジェクトで検討している「ガラス 」と「陶磁」の成形・製造方法について書きます。


ガラスの技法

ガラスの技法でみんなが真っ先に思いつくのは「吹きガラス」ですよね。

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画像引用:https://hizen-vidro.shop-pro.jp/?tid=4&mode=f13


この技法は職人の技術におおきく依存しており、職人が高齢化し減少している今、持続性・量産性に欠けます。また、作れる意匠、形状に制限が出ます。

よって今回は型を使った製造方法を検討しております。

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画像引用:https://www.nishikawaglass.com/blog/page/2/

「キルンワーク」「パートドゥヴェール」など用いるガラスの大小によっていろいろ呼び名があるそうですが、技法の概要を端的に記すと、
耐火石膏で作った型にガラスの粒を入れて、窯にいれ、850~1000度程度の熱で溶かすというものです。そしてそのまま釜のなかで冷ますことで、ガラスが型に沿った形に固まります。

↓URLを引用として載せます
https://blog.goo.ne.jp/yanaki-jol/e/dfc4a19592d0deeac10b10f637f18277

この技法でガラスの表情を操作するのには、ガラスの粒の大きさを操作します。
粒が大きければ大きいほど余分な空気が入らず透明に
粒が小さければ小さいほど細かな空気が入って不透明になります。



陶磁の技法


陶磁の技法と聞くとロクロを用いた成形を思い浮かべると思いますが、ガラス 同様に職人が高齢化し減少している今、持続性に欠けます。また、作れる意匠、形状に制限が出ます。

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画像引用:https://korohacurry.hatenablog.com/entry/2020/04/23/190000


そこで陶磁でも、意匠性が比較的自由で量産性もある型を使った製造方法を検討しております。


↓技法について、下記URLを引用として載せます(技法については3:40ごろ〜スタートです。
https://www.youtube.com/watch?v=ErUDK3m_9-U

↓後編(一応引用します)
https://www.youtube.com/watch?v=gdCHcU_q09o

特に検討している技法は「圧力鋳込み」です。

画像4

画像引用:https://e-kihara.co.jp/manufacturing/

「圧力鋳込み」とは、機械によって石膏型に、積み重ねた石膏型の中に”水をたくさん加えて泥のような液体にした粘土(泥漿と呼ばれます)”を高圧で注入します。すると石膏が水分を吸い、石膏が接している箇所の粘土が残ります。
本技法では比較的自由な形状を成形できます。また、表面が滑らかで意匠性が高く、寸法制度も比較的高いです。

↓本技法で重要になってくる石膏型の製型所(石膏型を作っているところ)の様子も引用として載せます。
https://www.youtube.com/watch?v=FudeHlv9rpw (前編

https://www.youtube.com/watch?v=CineJMk8_GU (後編



最後に

上記URLの製型所様ではデジタルファブリケーションを用いていますが、話にも出ているように非常に稀なケースです。また、後編で話されるように、やはり製型所は高齢化しているようですね。東濃(土岐・瑞浪・多治見)の60件で30~40代の製型所は10件だそう。しかもデジタルファブリケーション導入企業は2/60件とのこと。

また、動画でのデジタルファブリケーションで作られる形状について、大学で6年間工芸を学んだ後、プロダクトデザイナーとして日々CADやデジタルファブリケーションに触れる私としては「もっとデジタルファブリケーションを生かした、人の手では作れない形状にしたらいいのに」と思います。

よって私たちのプロジェクトでは、やはり、デジタルファブリケーションを中心に置いた、若者だから提案できる魅力的な製品を作るべきですね。


関係ないけど最近ハムスターを飼い始めました。KAWAII....⭐︎

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