弦高とサウンド~竿もの日々雑感 Vol6~
毎日変化していく楽器のコンディション。
「生鳴りが大きくなった!小さくなった!」
「前より弾きにくくなった気がする…」
などなど、日々スタジオのギター・ベースをメンテナンスしながら感じていることを綴っていく記事です。
スタジオ勤務中、「調整で音って変わるの?」という疑問の会話がたまたま耳に入ってきました。ああ、そういう単純な分かりやすい変化って比べてみないと変化してることに気付きにくいな!とヒントを頂いた気持ちです。
ありがとうございます!
そんなヒントを元に思いついたのは、「弦高を変えるだけで音って変わるの?」という実験です。
今回は、いつものストラトの12F弦高を
①いわゆる普通くらい、よくある出荷基準の1.6~1.7mm
②かなり低め、1mm~1.1mmくらい
③ちょっと高め、2mm~2.1mmくらい
に変えてライン音を比べてみようと思います。
(単純に弦高を変えるだけで他の調整はしないで行ってみます)
早速①です。まずは普通くらい、と言っていいであろう1.6~1.7mmを狙って調整。スケールを当てて測ります。
同じフレーズを弾いて音を比べていきましょう!
続いて②。
弦高の調整だけしてラインを録っていきます。
1mmを狙って調整して・・・
ラインを録ってみます!
・・・明らかにシャラリシャキシャキした音になっていますね!
雰囲気は近いですがこれはもうパッと聞き別の竿と思ってしまうんじゃないでしょうか。
特筆すべきはピッキングの感覚が全然違う。常用するピックが変わるんじゃないかというくらい弾き心地が柔らかに。
変化に驚きつつ③へ進みましょう。
同じく弦高だけを2mmを狙って調整。
2mmをちょい過ぎましたがまあこの方が分かりやすいでしょう!
ラインを録っていきます。
②と比べるとビックリするほどマイルド&ウォームなサウンドに。
コッチ系が好きな人が弦高を上げたがるのも頷けますね!
そしてやっぱり弾き心地の激変が・・・1mmから上げたのもありますが弦のハリを右手にしっかり感じるテンション感。似たようなピッキングで録音するのにちょっと手間取りました。
今回の実験はいかがでしたか?
やってて驚くくらいの音の変化ですから、「自分の好みに合わせる」ことがこのくらいの調整でも考えていけるんじゃないでしょうか。
実際にはピックアップの高さや他の調整も入れていくはずですが、これはもしかしたら状態によってはピッキングのクセや発音のタイミング・果てはプレイスタイルにもかなり影響を与える要因になるんじゃないかとも思います。
好み、というもののヒントになればと願いつつ・・・次回も是非お付き合い下さい!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?