令和6年度税制改正による、過去に発行した税制適格SOへの影響
令和6年度税制改正により、税制適格SOの要件が緩和されています。
付与対象者になりうる社外高度人材の要件緩和
権利行使価格限度額が、年間2400万円又は3600万円に拡大(従前は年間1200万円)
保管委託要件の緩和(自社での管理が可能に)
その他
ここで実務的に問題になるのが、2と3の要件は、過去に発行した税制適格SOについても対象にできるかです。
これについて、新租税特別措置法の附則31条では、施行日(4月1日)前に締結された割当契約については、原則として旧法どおりとなるが、令和6年12月31日までに旧法下での割当契約を変更することで、新法の適用対象にできるとされています。
注意しなければならないのは、「令和6年12月31日までに」変更契約をする必要があるということです。
自社が発行した/自分が割当を受けた際の割当契約を確認して、必要であれば変更契約を締結するようにしましょう。
見つけづらいので、附則の該当箇所を貼っておきます。
(特定の取締役等が受ける新株予約権の行使による株式の取得に係る経済的利益の非課税等に関する経過措置)
第三十一条 新租税特別措置法第二十九条の二第一項の規定は、令和六年分以後の所得税について適用し、令和五年分以前の所得税については、なお従前の例による。
2 施行日前に締結された旧租税特別措置法第二十九条の二第一項に規定する契約(以下この項において「旧契約」という。)で同条第一項各号に掲げる要件が定められているもの(施行日から令和六年十二月三十一日までの間に行われた当該旧契約の変更により、次の各号に掲げる場合に該当することとなった場合には、当該各号に定める旧契約を含む。)は、新租税特別措置法第二十九条の二第一項各号に掲げる要件が定められている同項の契約とみなして、同条の規定を適用する。
一 旧契約に定められていた旧租税特別措置法第二十九条の二第一項第二号に掲げる要件に代えて新租税特別措置法第二十九条の二第一項第二号に掲げる要件が定められた場合(第三号に掲げる場合を除く。) 当該要件及び旧租税特別措置法第二十九条の二第一項各号に掲げる要件(同項第二号に掲げるものを除く。)が定められている当該旧契約
二 旧契約に定められていた旧租税特別措置法第二十九条の二第一項第六号に掲げる要件に代えて新租税特別措置法第二十九条の二第一項第六号(ロに係る部分に限る。)に掲げる要件が定められた場合(次号に掲げる場合を除く。) 当該要件及び旧租税特別措置法第二十九条の二第一項各号に掲げる要件(同項第六号に掲げるものを除く。)が定められている当該旧契約
三 旧契約に定められていた旧租税特別措置法第二十九条の二第一項第二号及び第六号に掲げる要件に代えて新租税特別措置法第二十九条の二第一項第二号及び第六号(ロに係る部分に限る。)に掲げる要件が定められた場合 当該要件及び旧租税特別措置法第二十九条の二第一項各号に掲げる要件(同項第二号及び第六号に掲げるものを除く。)が定められている当該旧契約
3 新租税特別措置法第二十九条の二第二項及び第三項の規定は、施行日以後に同条第二項第一号から第三号までの株式会社に対して行う同項第一号から第三号までに規定する電磁的方法による同項第一号から第三号までの書面に記載すべき事項の提供について適用する。
4 新租税特別措置法第二十九条の二第四項(第一号に係る部分に限る。)の規定は、施行日以後に同号に規定する解約又は終了により同項に規定する特例適用者又は承継特例適用者が有する同項に規定する特定株式又は承継特定株式の全部又は一部の返還がある場合について適用し、施行日前に旧租税特別措置法第二十九条の二第四項第一号に規定する解約又は終了により同項に規定する特例適用者又は承継特例適用者が有する同項に規定する特定株式又は承継特定株式の全部又は一部の返還があった場合については、なお従前の例による。
5 新租税特別措置法第二十九条の二第四項(第三号に係る部分に限る。)の規定は、施行日以後に同号に規定する譲渡により同項に規定する特例適用者又は承継特例適用者が有する同項に規定する特定株式又は承継特定株式の全部又は一部の移転がある場合について適用し、施行日前に旧租税特別措置法第二十九条の二第四項第三号に規定する譲渡により同項に規定する特例適用者又は承継特例適用者が有する同項に規定する特定株式又は承継特定株式の全部又は一部の移転があった場合については、なお従前の例による。
6 新租税特別措置法第二十九条の二第七項の規定は、施行日以後に提出する同項に規定する特定株式等の異動状況に関する調書について適用し、施行日前に提出した旧租税特別措置法第二十九条の二第七項に規定する特定株式等の異動状況に関する調書については、なお従前の例による。