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ガラスの歴史にみる、行きすぎた保護主義

現在の私たちの生活にもしガラスがないと仮定してみたら、どういうことになるであろうか。

ガラス窓のない屋内は昼でも暗く、窓越しに庭を眺めることもできない。自動車はすべて窓なしにならざるをえず、雨の日には走行も不能であろう・・・・・・等々、現在のわれわれの生活は想像もできないくらいに暗いものになってしまうであろう。

12世紀〜13世紀にかけて、ベネティアではガラス製造が盛んに行われた。純粋な珪酸ソーダを使った、技術的に非常に優れ、かつ装飾性にも富んだガラスが大量に生産されるようになり、ベネチィアングラスとしてヨーロッパ中に知られるようになった。

当時のヨーロッパは覇権争いが絶えず、クリスタルグラスやエナメル彩のガラス器の職人が職を求めてベネチィアに逃がれてくるケースがあいつぎ、ベネチィアのガラス工業はその水準をさらに高めることができた。

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