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バーコードの歴史

バーコードはとても便利だ。店舗に並ぶ商品という商品に印刷されているシンプルな黒い線の列によって、レジ係は商品をスキャンして自動的に値段を読み取ることができる。また店舗側も、在庫の更新、取引の記録、再発注の手続きなどをすべてリアルタイムで自動的に行うことができる。

この便利な線の羅列を考えたのは、バーナード・シルバーという大学院生がある会話を偶然耳にしたことから始まった。食品専門のスーパーマーケット・チェーンの幹部が、米国ペンシルベニア州にあるドレクセル工科大学の工学部長に、「販売した商品のデータを追跡する手立てがない」ことを嘆き、レジの会計処理をスピードアップするための方法を探していると語っていたのだ。シルバーは友人で同大の卒業生でもあるノーマン・ジョセフ・ウッドランドに連絡を取り、2人でアイデアをぶつけ合った。

1948年、マイアミ・ビーチでくつろいでいたウッドランドの思考は、いつしかボーイスカウト時代に学んだモールス信号へとさまよっていた。ドット(短点)とダッシュ(長点)で構成されるあのシステム・・・・・。考えながらぽんやりと砂浜に線を引いていると、狭い間隔と広い間隔の棒線(バー)を並べれば、特定の製品に固有のコードを簡単に付与できることに気づく。

ウッドランドとシルバーは試行錯誤の末、コードシステムとそれを読み取る手段の両方を考案。500ワットの白熱電球を使って簡単なプロトタイプを作り、オシロスコープで出力を読み取った。

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