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エレベーターの歴史

古代ギリシャやその他の文明で、古くから複合滑車に巻いたロープの引っ張る力は利用され、人々は滑車を使って力を拡大することにより、大きな重りや荷物を持ち上げていた。

最初のエレベーターは、使用人や動物がロープを引っ張ることで動力を与え、建物や構造物の上に荷物を吊り上げていた。フランス国王ルイ15世は、1743年にベルサイユ宮殿の居室に人力で動かす個人用エレベーターを設置し、愛人のシャトールー公爵夫人が住む1階上の部屋と自室を結んでいる。

19世紀には、このような「昇降機」や「垂直鉄道」の完全な動力化と機械化が初めて試みられた。鉱山や工場では、昇降台を上げ下げするのに蒸気の力が使われた。乗客を乗せて運んだのは、トーマス・ホーナーとデシマス・バートンの「昇降室(アセンディング・ルーム)」(1829年)が最初である。

エレベーターが一般的に広まるきっかけを作ったのは、米国バーモント州生まれのエリシャ・グレイブ・オーティスだ。1850年代、オースティスはエレベーターの吊りロープが切れたり緩んだりした場合にかご室を噛む、つかむ歯付きラチェットから成る安全システムを考案し、製作した。オーティスは息子たちと会社を設立し、1853年から54年にかけてニューヨークで開催された水晶宮博覧会(万国博覧会)で大胆なスタントを披露して注目を集める。大勢の観客が見守る中、オーティスは昇降台に乗ってエレベーター・シャフトを昇ると、巻き上げケーブルを斧で切断するよう命じた。プラットフォームは少し下がっただけで、安全装置によって落下を食い止められたのである。


このデモンストレーションは目論見通りにエレベーターが顧客や居住者を運ぶのに十分安全であることを、多くの実業家たちに納得させることができた。建物内に初めて商業用の乗用エレベーターが設置されたのは1857年。ブロードウェイとブルーム・ストリートの角にあるニューヨークの高級デパート、ホーワウト百貨店にエレベーターが設置された。

ちなみに、エレベーターのボタンを押し間違えた時は、メーカーによって操作方法は異なりますが、押し間違えた階のボタンを再度押したり、長押ししたり、何度か押したりすることによってキャンセルできるものがあります。お試しあれ

『参考資料』

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