見出し画像

木材で飛行機をつくる

20世紀初頭に生まれた、飛行機のような高度な機械なら最初から金属素材が使われていたはずだと思われるかもしれない。

しかし、エンジンの出力が低かった初期の飛行機において、機体に何よりも求められたのは、軽量であることだった。木材は重量比で見ると金属と同じくらいの剛性を持っているため、初期の飛行機には、木材が大量に使われていた。
 
木材は木目に沿った方向とそれに垂直な方向とで性質が大きく異なる。成形して利用するにはコツが必要だ。好ましくない方向に負荷がかかると木目にそって割れてしまい、致命的な結果になりかねない。そこで、1797年サミュエル・ベンサムが、何枚かの薄い板を木目が交互に直角になるように貼り合わせるアイデアを思いつき、"合板"がうまれた。

初期の飛行機には合板が大量に使われた。

軽量なバルサ材の両面にカバノキの三層合板で作られた戦闘機「モスキート」

いいなと思ったら応援しよう!