パン作りとビール
パンは、小麦粉、ライ麦粉などパン用の穀物の粉を、イースト、水、食塩を中心とした材料を使ってよく混ぜ、練って発酵させた生地を焼いた食品です。
発酵した生地がふくらむパンの歴史は、紀元前4000年のエジプトにさかのぼります。それまで小麦粉を粗粒にして水でこねたものを平焼きにしていました。
しかし、あるときに、大発見があります。小麦粉を水でこねて、しばらく放置しておいてからパンを焼くと、生地がふくらんでやわらかく仕上がったのです。おそらく、自然界の酵母が生地についたのでしょう。しかも、生地の一部は、次のパンのもと(タネ)として使うことができました。
また、ビールづくりでできた泡をタネに使えば、もっとよいパンが焼けました。パン作りの主役はビールなどのアルコールをつくる酵母です。酵母はパン生地のなかにわずかにふくまれているブドウ糖や麦芽糖などを栄養に発酵し、発生した二酸化炭素で生地をふくらませます。