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"ハレー彗星の発見者"と"保険"の意外な関係
我が家では、子供が生まれてから保険の見直しをしています。保険制度について調べていたら、面白い関係性があったので、記事にします。
1693年、ハレー彗星の発見で知られる有名なイギリスの天文学者エドモンド=ハレーは、「死亡表に関する論文」を発表した。
きっかけは、イギリス王立協会の提起した、人間の生命・寿命についての科学的研究に答えるため研究を進めた。ハレーはドイツのブレスラウ市の市民の詳しい出生・死亡記録を調査した結果、人間の死亡率は年齢とともに確実に、かつ、急速に上昇曲線を描いていくこと、つまり、数学の確率論でいう「大数の法則」が人間の寿命にもあてはまることを確かめることに成功した。
1756年、ロンドン市民のジェームズードドソンは、自分の体力の衰えを感じて「アミカブル-ソサエティー(地域住民の組合制度で、入会一時金と加入者が死亡した時に、5シリングづつ集めて、遺族に一時金を支払う制度)」に加入を申し出たが、高齢を理由にことわられてしまった。彼は46歳であったが、組合は45歳までという加入制限の制度を設けていたのである。怒ったドドソンは、本当に保険が必要である老人も加入できる組合はどうすればできるかを考えていた時、この「ハレーの死亡表」を知った。
彼はまず、「ハレーの死亡表」をもとに年齢別の保険料を算出した。これを保険業界では「自然保険料」といっている。しかし、これは年をとるにつれて、保険料が高額になるため、高齢者が加入できない矛盾につきあたった。考えぬいた末、一年ごとの保険料の総額を、20年、30年という長期間に分割して、支払うようにすればよい、ということに気づいたのである。これが保険業界でいう「平準保険料」という考え方である。これが現在に至る生命保険の基本的な考え方である。