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アポロ誘導コンピュータ(1966年)



AGC (アポロ誘導コンピュータ)は宇宙飛行士が安全に月に航行できるようにするために作られました。宇宙飛行士が飛行中に測定した地球・月・星の位置をもとに、宇宙船の軌道を計算し、宇宙船のスラスター制御を行いました。

NASAは、アポロ宇宙船に搭載できるくらい小型で、宇宙飛行中の振動や放射線、極端な温度変化に耐えられる信頼性の高いコンピュータを作らなければなりませんでした。

AGCには、当時最新のICという技術を用いた最初のコンピュータの一つでした。ソフトウェアエンジニアのマーガレット・ハミルトン率いる、マサチューセッツ工科大学計装研究所の350人のチームがAGCのプログラミングを担当しました。

AGCにはコアロープメモリが用いられました。これは、女性工員の手で編まれたことから「リトル・オールド・レディ・メモリ」と呼ばれました。宇宙飛行士はDSKYと呼ばれる数値ディスプレイとキーボードを使ってAGCとの通信をおこないました。
1968年にAGCはアポロ8号の宇宙飛行士たちを月面に誘導することに成功し、大きな技術的偉業を成し遂げました。

AGCは当時最先端のコンピュータの一つでしたが、その演算能力は1985年の任天堂スーパーファミコンとほぼ同じだったと言われています。

スーパーファミコンの処理能力で月に行けるなら、今の技術力なら簡単に月に行って帰ってこれそうなのに、そういう社会になっていないのが不思議に思えてくる。

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