飛行機・ロケット・惑星探査機のエンジンの違い
飛行機
ジェットエンジンは、前方の吸気口から空気を取り込み、それを圧縮機によって圧縮します。そして、大気圧の30~40倍にも圧縮した空気に燃料を噴霧して点火することで、気体を爆発的に燃焼させます。すると、爆発的に燃焼した空気は一気に膨張し、勢いよく後方の排気口から噴出され推進力に変わります。
空気を圧縮するのは、体積が小さいほうが燃料の噴霧・燃焼が短時間ででき、燃焼効率が上がるからです。
ロケット
ロケットのエンジンはジェットエンジンとは異なり、空気を取り込みません。あらかじめエンジン内に搭載している推進剤(燃料)を燃焼させ、その燃焼で得た高温・高圧のガスを噴出して推進力を得ています。
ロケットエンジンは外部から空気(酸素)を取り込む必要がないため、空気のない宇宙空間でも推進力を生み出せます。
惑星探査機
ロケットで宇宙空間に打ち上げられた小型探査機などは、また別の推進力を用いています。それが、小惑星探査機「はやぶさ」で用いられ、「はやぶさ2」にも搭載された「イオンエンジン」です。
イオンエンジンの推進剤には、多くの場合、キセノンガスを用います。というのも、このガスにはマイクロ波(電子レンジなどで用いられている電磁波の一種)を当ててプラズマ化させると、帯電したイオン粒子となる性質があります。このイオン粒子を加速させて推進力を得るのです。
同じ空を飛ぶエンジンでも、大気中なら空気、大気中と宇宙空間で併用するなら推進剤の燃料で得た高温ガス、宇宙空間であればイオン粒子、というように使用する状況や環境に合わせて、噴出するものを変えています。
『参考資料』
https://ja.wikipedia.org/wiki/ジェットエンジン
https://ascii.jp/elem/000/001/131/1131534/2/
https://www.mod.go.jp/nda/obaradai/boudaitimes/btms200609/nakayama/nakayama200609.htm