無骨にそびえ立つ鉄塔 その間隔はどう決まる?
鉄塔と鉄塔間に見える電線は、きれいな”たるみ”を持った放物線のような形になっています。電線は細く見えますが、アルミと鉄でできているため、それなりの重さがあります。このため、物理的に鉄塔と鉄塔の間(径間)をピーンと一直線に電線を張ることはできません。つまり、たるみが生じます。
送電線に使用されている電線は裸電線なので、地上から規定の高さ離す必要があります。鉄塔を高くすればするほど、鉄塔にかかる費用が高くなるので、できるだけコンパクトな形状で規定を満たすことが求められます。
また、電線を強く張れば”たるみ”は少なくなりますが、その分、鉄塔に働く力が大きくなり、鉄塔を頑強にする必要があり、やはり費用は高くなります。径間を短くすれば、”たるみ”を抑えることができますが、鉄の基数を増やすことになり、これも費用が高くなります。
これ以外にも、鉄塔の用地などを考慮しながら最も費用が少なくなる合理的な設計になるように送電線は設計されています。地域事情や電圧にもよりますが、だいたい300~400mくらいが合理的な距離とされています。