工学教育の基礎を築いたナポレオン政権

現代の工学系の教育の基礎はいつ確立されたのか？

社会的大変革を迎えたフランス革命

1700年代、バスチーユ監獄の襲撃をきっかけに、フランスではブルボン王朝の支配をくつがえすフランス大革命が起こった。1792年には王制が廃止され、その後も内紛や混乱が続き、1799年には軍人ナポレオンが第一統領として全権をにぎり、1804年にナポレオンが皇帝の位について激動の時代は一段落を告げた。

政治的、社会的な大変動をともなう革命期は、教育制度にとっても大きな変動の時期だった。当時王党派であった技術者や工兵士官の多くが外国に逃亡し、『共和国に科学者はいらない』といって偉大な科学者ラボアジェは1794年3月に処刑された。ナポレオン政権は早急に技術力強化に乗り出さなくてはならなかった。