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日本初の2階建て電車

日本初の2階立て電車といえば、1958年に近鉄が導入した”ビスタカー”だ。

VISTA(ビスタ)はスペイン語で「眺望」を意味する。オレンジ色の車体に濃いブルーのラインが入ったビスタカーは近鉄のシンボルとして活躍した。

1950年代、大阪ー名古屋間は近鉄と国鉄、関西線の3つどもえの激闘を繰り広げていた。ビスタカーはその熾烈な闘いの中で誕生した。

近鉄は、複数の鉄道会社を合併してできた経緯があり、大阪ー名古屋で軌間(レールとレールの間の幅)が違っていた。そのため、大阪ー名古屋間を直通で乗り入れることができず、伊勢中川駅で乗り換えなければならない弱点があった。

国鉄はその弱点をつくように、スピードアップをしかけた。所要時間が変わらなければ、乗り換えは面倒でしかなく、乗客は国鉄にシフトし始めた。

「国鉄にはない近鉄ならではの魅力をつくれ」近鉄の”中興の祖”といわれた社長”佐伯勇”の指示のもと、取り組み始めたのが「日本初の2階建て」と「日本一の眺望が楽しめる」のキャッチフレーズで全国の観光客を集める戦略だった。

1962年にはオール2階建て電車「あおぞら」が誕生し、当時小学生だった私も伊勢志摩に修学旅行で乗ったことを覚えている。

『参考資料』

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