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ジハイドロゲンモノオキサイド(一酸化二水素)

1997年、アイダホ州の中学生が行った調査が注目を集めました。「ジハイドロゲンモノオキサイド(DHMO)の使用を禁止せよ」という嘆願書を作成し、街頭でDHMOの危険性を説明し、署名を集めました。

彼の訴えは次のようなものでした。

「DHMOは、無色、無臭、無味である。そして毎年数えきれないほどの人を殺している。ほとんどの死因はDHMOの偶然の吸入によって引き起こされている。
DHMOは、アメリカのほとんどすべての河川、湖、貯水池で発見されている。それだけではない、DHMO汚染は全世界に及び、南極の氷からも発見されている。アメリカ政府は、この物質の製造、拡散を禁止することを拒んでいる。いまからでも遅くない!さらなる汚染を防ぐために、今行動しなければならない!」
通行人50人のうち43人の署名を得たといいます。多くの人がジハイドロゲンモノオキサイドの使用を禁止することに賛成したのです。
 

・・・とここで、お気づきでしょうか?
 
DHMOとは水(H2O)のことです。水分子は水素2個と酸素1個が結びついているので、ジハイドロゲンモノオキサイド(一酸化二水素)です。ゾナーがこの調査で訴えたかったのは「あらゆるレベルで科学教育をもっと充実させるべきだ」ということだったのです。人は恐ろしげな名前にしただけで、ころりと騙されてしまう。知識がある人ならば、すぐにこの話はジョークだなと気づける。

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