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トンネルの排煙幕

子供が電車に夢中になっている影響で、私も少し鉄道について調べる機会が増えています。

長いトンネルを建設することが容易ではなかった、明治時代から昭和戦前に建設された鉄道路線を調べると、ほとんどが川沿いに線路が敷設され、必要最小限の長さのトンネルになるように工夫されていることがわかります。

当時は、蒸気機関車の時代であったため、長いトンネルを設けると煙がトンネル内に充満して、衣服が汚れたり、場合には窒息する事態になっていました。そのため碓氷峠のトンネルには「隧道番(ずいどうばん)」と呼ばれる作業員がトンネル入り口に配置されました。隧道番はトンネル内に列車が入ると排煙幕を引いて入り口を閉鎖し、トンネル内に生じる気圧差を利用して列車の後方に煙をため、通過後に幕を開いて煙を外に逃す役割をになっていました。
排煙幕は、1894年ごろに取り付けられ、電化される1921年ごろまで約27年間しようされていました。
 
『参考資料』
https://blog.canpan.info/masataka/archive/43

碓氷第一トンネル入口に立つトンネル番(交通博物館所蔵)

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