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ヘッドフォンの誕生

ヘッドフォンは電話交換手が使っていたヘッドセットから発展した。当時はスピーカーが1つ入っていることが多く、重さは約5kgもあり、頭や首に長時間装着するには不向きでした。

そんな代物が家庭に普及する最初のきっかけは、まだラジオ放送すらも開始されていない1890年代。当然音楽は生演奏を楽しむものでした。楽器にも電気は用いられておらず、オーケストラなどの演奏をコンサートホールで聴くというのが、音楽を楽しむ唯一の方法でした。

そんな中、イギリスでエレクトロフォンという有線放送が生まれます。コンサートホールや劇場、教会などに設置されたマイクで音声を拾い、当時普及が進んでいた電話線に乗って自宅にまで届き、ヘッドホンの原型になったレシーバー を通して聴くという仕組みで、初めて家にいながら音楽を楽しめる環境が生まれました。


利用者は高額な年会費を支払えば、電話回線を通じて劇場やオペラの生演奏をヘッドセットで聴くことができました。

1910年、アメリカの電気技師ナサニエル・ボールドウィンが、装着して不快でない最初のオーディオ・ヘッドフォンを考案します。それは、2台の受話器のスピーカーをアーチ状のバンドでつなぎ、カチューシャのように頭にのせて使うものでした。その快適さと音質の良さに感激した米海軍から100セットの注文が入り、実際に戦場で使われました。

『参考資料』

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