トイレットペーパー
普段何気なく使っている“トイレットペーパー”これがなかった時代はどれだけ不便だっただろう。用をたした後始末はどうしていたのか調べた。
大きな葉やヤシの葉、トウモロコシの穂、古い布切れ、古代ギリシャでは陶器の破片など、とりあえず手に入るもので間に合わせていた。日本では「ちょうぎ」と呼ばれる平な棒で、汚れた部分を拭いていた。アメリカでは新聞や通販カタログが普及するとトイレのドアの内側にフックや釘を取り付けて、そこに新聞紙や古いカタログを吊るしておくのが一般的だった。
トイレットペーパーを最初に製造したのは中国だ。古くは6世紀、宮廷の役人であり芸術家が「五経の引用や注釈、賢人の名前などが書かれた紙は、便所の用には使わない」と記している。
近代的なトイレットペーパの発明は、1857年アメリカのジョセフ・C・ゲイエティーが自分の名前の透かしが入った香り付きの「薬用紙」を、痔に悩む人々の医療補助材として提供し始めた。
1879年にイギルスのウォルターとアメリカのスコット兄弟によって、ロール状のトイレットペーパーが初めて市販された。販売当時はトイレットペーパーという話題には気恥ずかしさがともなったようだ。20世紀に入るとミシン目の入った正方形のロール紙や2枚重ねの紙が一般的になり、美しい女性たちを起用したブランド広告が展開され、トイレットペーパーは普及した。