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樹木の成長

山地に生息する樹木は、その標高や地形によって生育状況が異なる。尾根筋は雨が降ってもすぐに流れ去ってしまい、風も強いので乾燥しやすいです。光は上方・側方から獲得しやすいです。谷筋は水が集中し風が弱いので水分環境は良好ですが、光は上方からしかこないので、隣接する木との光獲得競争が激しいです。中腹は水分も光も中間にあたります。
そのため、尾根にある木は背が低く下枝が大きく張っており、根は広く伸びています。谷にある木は背が高くて樹幹は高く、幹下部の下枝はなく、根はあまり発達していません。


大工さんの教えの中には、峠および中腹の木は太陽の光をしっかりと浴びて育ち、風も嵐も雨にも叩かれる環境で育っているので、木質が強く、癖も強い。こういう木は、柱や梁などの建物を支える部分に使いなさいと教えられます。

谷は水分も多く、光も嵐もそんなに強くないので、木は癖もなく素直に育つ。こういう木は、強さもないので、長押や天井、化粧板などの造作板に使えということ。

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