クルマの盗難（チャネルサウンディング技術）

「ブルートゥース（Bluetooth）」の業界団体「ブルートゥースSIG」が新たに規格化した「チャネルサウンディング（CS）」という技術が、2025年以降スマホやクルマに組み込まれる。

昨今相次ぐ、クルマの盗難では、専用の無線技術を使うスマートキーに対して、「リレーアタック」という中継器のツールを用いた不正な解錠方法がしばしば用いられる。リレーアタックは宅内に置かれたスマートキーが発する微弱電波を家の外で増幅・中継することで、クルマを解錠する手口だ。

CSは、Bluetoothの機器間を数cm程度の誤差で計測できる。そのため、ユーザーがクルマの周囲にいるときにのみ、鍵を開けるといったことが可能になり、リレーアタックを阻止できる。

『参考資料』

https://www.bluetooth.com/ja-jp/learn-about-bluetooth/feature-enhancements/channel-sounding/



【チャネルサウンディング（CS）とは】

測距のための新技術であるCSは、PBR（位相ベース測距）とRTT（信号の往復時間計測）の2つの技術で構成される。
PBRでは、複数の周波数を用いて送信信号と受信信号の位相の違いを測定することで、デバイス間の距離を計測する。一方、RTTでは信号の往復時間に基づいて距離を測定する。この測定結果と、PBRによる測定結果を比較することで、距離精度を向上させている。