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「ココノ ススキノ」昼も眠らぬ街へ一歩

 「ニッカのおじさん」の看板で知られる札幌・ススキノ交差点。向かいの旧ススキノラフィラ跡地で工事が進められていた複合商業施設「COCONO SUSUKINO(ココノ ススキノ)」が30日、オープンしました。札幌松坂屋時代から受け継がれた建物が、46年の歴史に幕を下ろしたのが2020年5月。コロナ禍で客足は遠のき、道内最大の繁華街は未曽有の被害をこうむりました。ビルの老朽化で、今後も再開発が進むススキノにとって、昼もにぎわいを取り戻すための試金石になりそうです。


 「見事にオープニングテープのカットが行われました!」。寒空の下、午前10時50分過ぎに終了したセレモニーの直後、建物を囲むように並んだ長蛇の列が次々と建物に吸い込まれていきました。
https://www.youtube.com/watch?v=yA-0l6mIQvo
 ココノは地上18階、地下2階で、延べ床面積約5万3千平方メートル。道内初進出のシネマコンプレックス「TOHOシネマズすすきの」をはじめ、スーパーや飲食店、年明けには上層階(7~18階)に東急不動産が手掛ける「SAPPORO STREAM HOTEL」など計85テナントが入る予定です。
 外壁には、道内最大となるデジタルサイネージ(縦約26メートル、横9メートル)が設けられました。大型ビジョンの真下にある屋外テラスからは交差点を見下ろすことができ、夏場は「ビジョン下」なんて待ち合わせスポットにもなりそうです。


 待ち合わせと言えば以前、地下鉄駅と直結するロビンソン入り口は「ロビ地下」と呼ばれていました。ココノの地下入り口には何と、所々に電源が設けられた待ち合わせ用の階段が。「ココチカ」も、スマホを充電できる人気スポットになるでしょう。


 見慣れた景色と言えば、ラフィラ時代と同じく、地下1階にスターバックス、1階にドラッグストア「アインズ&トルペ」が入りました。建物は一新されましたが、思わず「お帰りなさい」と声掛けしたくなりました。


 地下2階には、帯広に本社を置く「ダイイチ」が出店。旧ラフィラのイトーヨーカドーが閉店した後、ススキノ中心部はスーパーマーケットが空白地帯となっていただけに、充実した総菜コーナーなど需要は高そうです。


 地下1階で目を引いたのが、滝川に本社を置く精肉店が開いた「エルムの山麓」。道産の牛肉や豚肉をはじめ、エゾシカやカモ肉などの各種ジビエも取りそろえています。道産仔牛のショルダー肉と十勝牛のブロック肉が安く、2キロほどを衝動買いしました。


 同じく地下1階には燻製(くんせい)食品専門店もあり、牡蠣、うずらの卵、たくあんを詰め合わせた開店記念セットも購入しました。
 上階は完全オープンには至っていません。3階のフードコートは1月下旬開業予定とのことでした。4階は「ココノ横町」と銘打った飲食店街で、オイスターバーやワイン食堂、肉割烹(かっぽう)などが軒を連ね、にぎわっていました。


 そして、5~7階が道内初進出の「TOHOシネマズ」。明日12月1日は映画の日。札幌駅のステラプレイス以来、市内で20年ぶりに開業したシネコンに足を運んでみようと思います。

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