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「海の日」の積丹 奇祭も楽しい!

 「海の日」の3連休。北海道では今年も、野外フェス「JOIN ALIVE(ジョインアライブ)」など、さまざまなイベントが繰り広げられました。この時期の、私のおすすめは積丹半島。連休中には全国でも珍しい奇祭も行われます。新たにオープンしたキャンプ場を拠点に、積丹では、まだあまり知られていないアクティビティーを満喫しました。

 車で札幌から2時間弱、小樽からは1時間弱。積丹は自然の宝庫にも関わらず、アクセスが良い点も魅力です。積丹町の中心街・美国地区に今夏プレオープンしたのが、「しゃこまるテラスキャンプ場」。運営するのは町内のアウトドアガイドツアー会社・しゃこまる。社長の奈良亘(わたる)さん(51)は「山登りや海遊びツアーを組み合わせて楽しめる全国でも珍しいキャンプ場にしていきたい」とPRします。 

 かつて町営のレストランとキャンプ場だった施設を購入。全面リニューアルを進めており、美国海水浴場を見下ろす高台のキャンプテラスからの眺めは素晴らしいのひと言。テントサウナも用意し、ワンランク上の施設を目指します。

 奈良さんの案内で初日は美国川の沢登りへ出かけました。林道の終点に車を止め、沢登り用のソックスとシューズに履き替えた後、30分ほど、藪をこぎながら森を散策。そこから沢伝いに2時間ほどかけて約2キロの沢上りを楽しみました。途中では休憩がてら渓流釣りも。メンバーの一人が体長25センチほどのエゾイワナを釣り上げました。

 この日の最高気温は28度ほど。沢水も心地よい温度で、短い夏しかできない川へのダイブも満喫できました。

 温泉で体を温めた後、夜はお隣りの古平町で開かれている奇祭「琴平神社例大祭」へ。祭りの終盤に行われるのが、「天狗の火渡り」です。高下駄を履いた天狗が、神体を掲げた神輿などを先導しながら町内を練り歩いた後、燃えさかる炎を渡りきります。町内を歩いて集めた穢れや災厄を清めるとされていますが、難しいことを抜きにして、危険な火渡りのビジュアルは壮観。

 天狗に続いて神輿も火を渡りました。

 神輿、燃えてますよね。近くに消防車も待機していますが、動く様子はありません。担ぎ手も火傷していないのか、ちょっと心配になります。


 昨年には積丹町でも行われている天狗の火渡りを観ましたが、古平の方が観客も多く、簡単に観られないほどの人垣が出来ていました。早めに場所取りするか、身長よりも高い脚立を持参することをおすすめします。

 続いては積丹グルメ。夏はウニ丼が有名な積丹半島ですが、全道的に不漁が続いており、高級なエゾバフンウニの丼価格は、どこも1万5千円を超えています。安価なエゾムラサキウニ丼でも、コロナ禍前の倍近い6000円ほど。お金のないライダーには簡単に手が出ない高級品になっています。
 そんなわけで、今回はウニ以外を楽しむことにしました。一箱に10パイほど入って1500円程度と格安のヘラガニをメーンに、イカやツブ貝を購入。キャンプ場で調理し、ヘラ貝はゆでたのと、クリームパスタとの二種類、イカとツブ貝は煮つけで堪能しました。新鮮な北海道の魚介類はやはり格別です。

 快晴、無風ー。海遊びに絶好のコンディションとなった翌日は、美国地区に隣接する茶津海岸からSUP(スタンディングアップパドル)ツアーに出かけました。 

 黄金岬の先にある美国のシンボル・宝島の横を抜けていざ西方へ。断崖絶壁に囲まれた積丹半島は浅瀬と淵が複雑に入り組んだ地形で、濃淡混じりながらも青く透き通る「積丹ブルー」の海を体感できます。

 1時間ほどかけてたどり着いた砂浜で昼食タイム。おにぎりなどを頬張りながら味付けジンギスカンを焚き火で味わいました。SUPは操作もしやすく初心者も手軽に楽しめるのが魅力。立ち上がると不安定なため、私も3回「沈没」しましたが、それも含めて海遊びを満喫できます。

 ツアーの途中にはシュノーケリングも楽しみました。浅瀬には数えきれないほどのエゾムラサキウニが生息しており、自然の豊かさを実感しました。ただ、海水温上昇により、昆布や、昆布を餌にするウニが大幅に減少しているとの指摘もあり、地球温暖化が生態系破壊を招いている側面も。これまでは積丹沖まで北上してこなかったマグロやブリが回遊するようになったのも温暖化の影響とみられ、この問題に関しては地球規模で考える必要がありそうです。

 今回のツアーでは足を運べませんでしたが、先端の神威岬に近い温泉施設「岬の湯しゃこたん」は、露天風呂からの眺望が抜群。ここも町営施設を買い取った民間企業がリニューアルを進めており、今季は一棟貸しの宿も整備され、遊びと仕事を両立させるワーケーション利用などが始まっています。冬は観光客が激減する積丹ですが、国際的なスキーリゾートのニセコからも車で1時間ほど。夏も冬も滞在型の観光地に変わっていく可能性を秘めています。

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