キャンプに温泉… 伊達市大滝は無料天国
札幌から車で2時間足らず。以前は大滝村だった伊達市大滝区には、車で芝に乗り入れできる無料キャンプ場に加え、源泉かけ流しの無料公衆浴場もあります。北湯沢温泉リゾートで知られる大滝区ですが、北海道の涼しい夏は、大自然の中で過ごすのがおすすめ。道民にもあまり知られていないアウトドア天国をご紹介します。
札幌から大滝区に行くのは中山峠を越えるのが最短ルート。でも、せっかくだからドライブを楽しみたい。そんなわけで往路は支笏湖をぐるっと回って向かうことにしました。湖の南西にある美笛キャンプ場は、北海道でも屈指の人気を誇ります。キャンプ場内を流れる美笛川ではマスやヤマメも釣れるんです。河口から望む湖の景色も素晴らしく、私も学生時代から通っています。
支笏湖を過ぎてしばらく進み、美笛峠を超えると伊達市大滝区に入ります。トイレ休憩を兼ねた立ち寄りスポットとして有名なのが「きのこ王国」。ここに来たら100円(税抜き)のきのこ汁を味わうのが定番。
キャンプをする前に、ここで湧水「ホロホロの恵」を汲んでおくことをおすすめします。駐車場と、トイレ棟入り口の2カ所に水汲み場があります。
大滝と言えば、滝の名所が2カ所あります。きのこ王国からほど近くにある三階滝は、小ぶりながら絵になる3段の美しい滝が見られます。
滝の横には湧水「甘露法水」の水汲み場がありますが、こちらはエキノコックスが混じっている恐れがあるためか、「飲用するには煮沸してください」との注意書きが貼られていました。
宿泊地は徳舜瞥山(とくしゅんべつやま=標高1309メートル)の登山口にある徳舜瞥山麓キャンプ場。かつては小学校があったらしく、広大な芝生の敷地に車を乗り入れ、隣にテントを張ることが可能です。小雨が降りそうな空模様だったため、山側の大木横に車を停めてテントを設営しました。
宿を確保できたので、ここから車を10分ほど走らせ、「大滝区共同浴場 ふるさとの湯」へ。正直、ここは本当に無料で良いのかと思うほど素晴らしい施設でした。
風呂場の撮影はしていませんが、浴槽は「熱め」の43度と「温かめ」の41度の2種類。ともに86・5度の源泉に水を加えるだけでかけ流ししている贅沢な温泉です。
脱衣場には鍵付きのロッカーやウォシュレット付きのトイレもありました。火曜を除く午後1時~9時まで利用できます。
「大滝の人は週6回、温泉に無料で浸かれるんだ。うらやましい」と思ったら、地域にはさらにもう一つ、共同浴場「北湯沢湯のさと館」があるとのこと。翌日に訪ねてみたところ、こちらは月曜定休で開館時間は同じでした。大滝の人は年中、源泉かけ流しの温泉に浸かり放題でした笑
体をきれいにして、しっかり温まった後、利用者の方にお礼を伝えてキャンプ場に戻りました。心配された天候は回復し、夜空には満天の星空が輝いていました。
翌日は夏を感じさせる陽気。朝からもう一つの名所、「大滝ナイアガラ(ナイヤガラ)の滝」に向かいます。駐車場に車を止め、長流(おさる)川沿いの林道を800メートルほど歩きます。誰も入っていないので、クマが出没しないか心配しましたが、杞憂に終わりました。
結論から言えば、ナイアガラの滝は、その規模感からして「本家に失礼かな」と。でも、設置された看板にも表記されていますが、マイナスイオンの体感スポットとして、散策に訪れるにはいい場所だと思いました。何より「大滝ナイアガラの滝」という語感がいいですよね。
帰りは中山峠を通るルートを選択。喜茂別町に入ってすぐの所にある「雪月花廊(せつげっかろう)」に立ち寄りました。
ここでは、ルスツ豚を使った豚丼のブランチを食べました。分厚く脂の乗った豚丼は、生卵も絡まって絶品。本場の十勝で食べた豚丼よりも美味しく感じました。
味噌汁と漬物、サラダ、コーヒー(平日サービス)も付いて1000円は格安だと思います。
ここは2003年春に閉口した双葉小学校の校舎と敷地を活用した宿泊施設兼レストラン。歴史資料館も兼ねた校舎内に30人ほど泊まれるほか、キャンプ場やRVパークも併設されています。
テントサウナや露天風呂、竪穴式住居など趣向を凝らした施設に加え、代表の今崎舞子さん(通称・カカさん)の人柄も、多くの旅人に愛されており、北海道旅行の際は立ち寄られることをおすすめします!