ウィズコロナ元年のYOSAKOI
ハレの日が、ようやく戻って来た。
6月7~11日に開かれた「第32回YOSAKOIソーラン祭り」。コロナ禍の2020年と21年は、一部オンライン開催されたものの、事実上の中止に。実質的には今回が30回目となる。
昨年は3年ぶりのリアル開催となったが、観客はもとより、踊り手にもマスク着用が義務づけられ、盛り上がりに欠ける感は否めなかった。
僕自身は学生時代、YOSAKOIの創始者らとも関わりがあり、先輩や仲間と出場したことがある。当時はまだ、学生の手づくり感があって好きだったのだけど、チームにスポンサーが付いたり、各種有料チケットが販売されるなど商業化が進み、社会人になってからはやや縁遠い存在になっていた。
でも、ウィズコロナ元年の今年は、伝統の赤ふんどし姿で舞う「北海道大学 縁(えん)」の演舞を見届けようと、大通公園のサタデーナイトパレードに足を運んだ。
チケットは購入していなかった。公園沿いならどこかで見られるだろうと高をくくっていたが、有料桟敷席以外の公園沿いは幕が張られ、ひと苦労。結局、桟敷席隣りのガードレールに乗ることで撮影スポットを確保できた。
演舞の途中で衣装を脱ぎ捨てる赤ふんの北大生は予想通り、観光客らの人気を集めていた。「面白いな」と感じたのは、西7~5丁目で計3回の演舞中、その都度、赤ふん姿の男子学生が急いで衣装を着直していたことだ。それを手伝う黒子たちも。男子学生は脱いでは着直し、脱いでは着直し、3カ所の桟敷席前で赤ふんをアピールした。
「北星学園大学」「平岸天神」「新琴似天舞龍神」と、常連チームが続く。サタデーナイトパレードは、祭りの熱気を感じるには最高のイベントではある。
ただ、YOSAKOIに関してはこうも思う。「公道を無料で占拠しておきながら、お金を払った人以外は見られないように幕で覆うというのは、おかしくないですか」と。