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卒社旅行。小笠原への旅7
小笠原を訪れる観光客は、旅程のことを一(ひと)航海、ニ(ふた)航海と表現する。往復2泊のおがさわら丸が入港するのが6日に1回なので、一航海なら現地3泊、二航海なら同9泊の旅になる。
会社の有給休暇消化期間に企画した小笠原への旅。二航海にしたのは、父島だけだなく、母島も見て回りたかったからだ。
人口2千人余りの父島に比べ、母島は4分の1以下の450人ほど。集落は、ははじま丸が入港する沖港付近以外にはない。
結論から言えば、父島6泊、母島3泊の旅程はいまの自分にとってベストな選択だった。
母島一番の絶景は、都道最南端の駐車場からの周遊コースで訪れた小富士山頂からの南崎の眺め。透明度の高い渚と、外海側にはザトウクジラの群れを見渡すことができた。母島観光協会が、某新聞のランキングで、行かずに死ねない景勝地ナンバーワンな選ばれたとPRするのもうなずける。
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初日に港周辺、2日目に島南部を巡った後、3日目午前は電動アシストサイクルを借りて北端の北港へ。かつて、今の沖港と同じ450人ほどが暮らし、小学校跡も残る北部も現在は全くの無人状態。島を南北に結ぶ都道は途中2ヶ所で補修工事のための臨時信号機を設けていたが、観光以外の目的に必要があるのか首をひねったほどだ。
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電動アシストの力を借りて余力を残してサイクリングを終えるとら午後からは父島、母島を通じて最高峰の乳房山登山へ。登山口は沖港の集落から徒歩数分の場所にあり、ゆっくり登っても1時間半で標高463メートルの山頂に着くことができた。
母島は平坦な場所から東側の海を眺められる場所が少ない。乳房山の山頂も360度の展望を楽しめる訳ではないが、東側に1人だけが立てる広さの展望台があり、そこから海にせり出す東崎、北方面に目を向けると.ぼんやりと浮かぶ父島に向かう、ははじま丸の姿が見えた。
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翌日は午前中に、島で採取される建材にもなるロース石を見つけたドイツ人の功績を今に伝えるロース記念館などを見学した後、ははじま丸に乗船。2時間のホエールウォッチングを楽しみ、おがさわら丸に乗り換えて本土へと向かった。
港ではユースホステルの佐々木夫妻とヘルパー、宿泊客らがお出迎え。
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記念撮影の後、船に乗り込んで出港すると、小笠原名物にもなっている漁船の並走で温かな見送りをしてもらった。青い光を放つことから青灯台と呼ばれる飛び込みスポットでは、元ヘルパーのツッチーらが、バク転て海にザボーン。並走するホエールウォッチング船では、就職を控えた大学院生ヘルパーのつよぽん、女性ヘルパーの心ちゃん、友人のシャイナちゃんが豪快に海へ飛び込み、「行ってらっしゃーい」と声を張り上げてくれた。
思わず泣き崩れる元ヘルパーの楓さん。また小笠原に帰ってくるよ。そんな思いを胸に卒社旅行第一弾を終えた。
◾️ウィズコロナポイント
事前の提出が義務付けられていたPCR検査だったが、ヘルパーの話によると自治体の無料検査でも良く、さらにその結果確認を求められないまま乗船できるとのこと。昨年までは、チェックを終えた観光客には目印としてリストバンドか配られていたが、だいぶ緩和されているようだ。帰りの船に乗る際は体温測定もなし。ラウンジでは酒盛りをするグループもおり、既にウィズコロナの時代に突入したように感じた。