【美大4年生必見】手羽の卒業制作アドバイス38ヶ条 #卒業・修了制作展 #卒展 #まだ間に合う
卒業制作、卒業制作展って何?
美大では「卒業論文」「卒業研究」をやる人もいますが、学部なら「卒業制作」(以下『卒制』)、大学院なら「修了制作」をおさめて卒業・修了するケースが多く、それらの展覧会を「卒業制作展」(以下『卒展』)といいます。
以降、「卒業論文」「卒業研究」「修了制作」等をひっくるめて「卒制」「卒展」と表現させてもらいますね。
「卒展」と「芸術祭(学園祭)」の大きな違いは、基本的に卒展は1回しか経験しない(できない)こと。
社会人や短大編入組、大学院生以外は誰も経験値がないんですよ。みんな卒展初心者。また、引継ぎが無く前例が蓄積されないので、自主的に展示をやってきた人・いろんな展示を見てきた人とそうじゃない人の差が激しく出ちゃうのが卒展でもあります。
なので、現在卒業制作を取り組んでる人、これから取り組む人のために、
「こういう部分を気を付けるといいよ」
「卒業制作で陥りやすい点」
なアドバイス・・・教育研究効果・美術的評価ではなく、教務課時代に卒展担当を5年やり、毎年ムサビ含め他大学の卒展を見て回ってる手羽が精神論じゃないテクニカルな部分を一昨年「卒業制作アドバイス36ヶ条」としてまとめました。・・でも書き出したら盛り上がってしまって最終的には「38ヶ条」になったけども。
手羽的にはこれが完成形なので、この38ヶ条を補足しながら再掲します。
ムサビ生向きのアドバイスが多いけど、他美大の方も参考になるはずだし、卒展に関係なくこれから展示を考えてる人も使えると思います。また、卒展を見る人のポイントにもなるはず。
この12月末に紹介しても「遅いよっ!!」な部分も多いけども。
ではいきます。
準備編1「卒業制作展は卒業記念制作展ではない」
「卒制は想い出作りではないし、4年前からやらなくちゃいけないことはわかってたイベント」という当たり前な話。でもとっても大事な話。
準備編2「DMやチラシはよーく校正しよう」
1年に数回見かけるものだと英語では「exhibition」「Information」の綴り間違い、日本語だと「卒業・修了制作展」を「卒業・終了制作展」と書いちゃうパターンです。
準備編3「先生や友達の意見を聞くかどうか」
いろんな人の意見を聞くべきだけど、最後の最後は、自分のやりたいことをやるべきだと思ってます。
場所決め編1「共有スペースや屋外って難しい」
「屋外作品がしょぼいと学内全体、特に近くの建物の作品全体がしょぼく見えちゃうの法則」は、ずっと卒展を見てきた手羽の結論です。
場所決め編2「展示室以外の展示」
美大にずっといると「お客さんはそれが作品かわからない」ことに気づきにくくなっちゃうんですよね。
制作編1「大きさ・長さ・広さ・高さ・風・時間の重さ」
大きな作品を作って初めて知るいろんな「重さ」との闘い。
制作編2「小屋モノとボリュームもの」
屋外作品アドバイスが多いのは、自分が卒展で失敗したからです(涙)
制作編3「道具と作業の法則」
ほんと急いでる時に限って機械が壊れるし、材料が無くなるんですよ。
「それも計算にいれてスケジューリングしろ!」っていうのは簡単だけど、そうはいかないのが現場仕事ってやつで。
制作編4「作るということ」
ここまでは制作編なので「この12月末に今更言われても・・」なアドバイスばかりでしたが、ここから会場設営編なので対応可能なものばかり。
会場設営・準備編「ぐねぐねコードとコロナ対応」
ちょっとしたことだけど、グネグネコードぐらいはちゃんと処理しましょ。
会期中編1「お客さんとの関係」
電源を使う作品は電源を入れて成立する。
誰もが「そんなの当たり前だろ!」と思いますが、そうはいかないのです・・。
会期中編2【完結編】
ギャラリーストーカーなどは論外ですが、卒展で恐らく一番多い層が「普段から展覧会へ行ったことがない人」。
皆さんが思ってる以上に一般の人は美術館や展覧会へ行かないもんで、美大生が思ってる「美術館・展示を見る時の常識(マナー)」は通じません。それがどうってことではなく、初めて展示を見る人を前提に展示する必要があるってことなんですね。
でも長く書いてきたけど、一番言いたいアドバイスは「体調壊さず、ケガもせず、火事を起こさず、無事に卒業制作を終えてね」かな。
38ヶ条は偉そうな口調に聞こえるかもしれませんが、毎年ムサビの卒展を見ながら「今年もこの失敗をしてる学生さんがいるなあ。手羽のアドバイスを読んでくれてたらなあ・・」と思うことがしばしばあって、それをただただ減らしたいだけなんです。友達に共有してもらえれば。
以上、年が明けたら恒例の全国美大卒展一覧を公開します、の手羽がお送りいたしました。
関係者の皆さん、今年中に情報をアップしといてくださいね。