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150頭のゾウと共生するインド奥地の茶園に行き着いた

ドゥームニ茶園を離れてアッサムの大都市グワハティでJohnさんという方に会う。

インドに入ってすぐのデリーで会ったサチャさんという方からのご紹介。

サチャさんに至るまでも既に2回のご紹介を挟んでいて本当に多くの方々に助けて頂きながらインドを回らせてもらっている。

右上が北東インドで会社経営をしているサチャさん。他の2人もインド工科大学教授(左上)、国際弁護士(右下)とインド内外で活躍されている方々。デリーにて


兄貴John

Johnさんはとても兄貴肌で温かい人。

「おーう!よく来たな!!まずは朝メシ食べよう」

の初対面から始まり、困った時に事あるごとに助けてくれている。

John

「アッサムが好きで来たというお前を、連れて行きたいところがあるんだ!」

と早々に車で移動することに。

着くとすごい豪邸が目の前に現れる。


「ここはアッサムを中心に100万人以上いるBoro族の中から選挙で選ばれたトップの政治家の家だ」

なんですと?

家に入るなり次から次へと始めましての挨拶にいろんな人が出迎えてくれる。そして一際穏やかな空気をまとった大柄な方が来てご挨拶をした。

「私がPramod Boroです。ようこそ私たちの地へ。」

とアロナイという歓迎の際に首にかけてもらう伝統衣装を頂き、Boro族のことやアッサムの文化やお茶について教えてもらった。

Pramodさんと一緒に紅茶を飲む
Pramodさんの仲間とJohn(右端)


サッカー会場で有機茶栽培の第一人者に会う

「今日サッカーの試合があるんだけど観に行くか?」

とアッサム州の試合を観に行くことに。

会場に着くとVIP席が用意されていて既に他の人たちは着席。Pramodさんが着くと全員サッと立って迎えられていた。

あっという間にメディアに囲まれるPramodさん

サッカーの試合が始まる直前に耳元でJohn兄がささやく。

「アッサムはもちろん、世界でも有名なお茶有機栽培の第一人者が来てるぞ!こっちへ来い!」

と試合そっちのけで会場内を移動してTenzingさんという方と会った。


アッサムが好きで来たという自己紹介もそこそこに、

「今日俺の農園に泊まりにくるか?そこらじゅうに野生のゾウが150頭いて茶園と共生してる農園だ」


展開の速さに加えてもう情報量が既に多い。

世界初のElephant-Friendly Organic Farm ということのようだ。


情報処理しきれないけど即答Yes!!


試合が終わってない間に会場を離れることとなりPramodさんにお礼をしつつ農園に向かった。


150頭の象と自然と生きる。Tenzingさんのオーガニック農園

夜中にこの秘境とも言える奥地に着いた。もう1キロいけばブータンに入る。

こんな道をひたすらブータン国境近くまで進んだ

農園に着くも真っ暗闇だったため、象は見えない。

が、遠くで鳴き声が聞こえる。


パオーン、パオーン


本当にいるのか。。
と思っているとTenzingさんが


「今日の夜は木の上で寝るので良いか?」


どういうこと?

あまり意味がわからないが面白そうだったので

「木の上めっちゃ好きだぜ!それでよろしく!」

と返事をしておいた。そしたらこんなのが現れた。

おお。。想像以上にちゃんと木の上だった。ミニなハウルの動く城みたいだ。

Johnさんと会ってからまだ12時間も経ってないのが嘘みたいだ。


すごい政治家の家に行って、サッカー会場で会ったゾウと共生する農家にある木の上で気がついたら寝ることになっていた。

爆速で色んな人が進む道を作ってくれている。
感謝。

農園にある建物はすべて手作り

Tenzingさんのお茶づくり人生

Tenzingさんは10歳の時に家を出て働き始めた。それ以来23歳になるまで一度も生家には戻らなかったそうだ。

23歳の時に故郷の母親から帰ってくるように言われて帰ってきたが当時実家でやっていたのは野菜農家であまり稼ぎが出ていなかった。

どうやったらちゃんと食っていけるのか。それを考えて国内でも消費が伸びていたお茶に目をつけて全て最初から自分で学んだ。

やり始めた初年度に140万円を稼いだことが自信になりそこから徐々に拡大していく。

その中でTenzingさんの信念にあったのは自然は人間だけのものではない、という共生の心。

茶園に柵を設けることもなければ肥料で虫を殺すこともしない。

獣が入ってきて茶園を荒らすこともしょっちゅうあるそうだ。ゾウも大きさが大きさだけに通るとお茶を踏み倒すこともある。

それでもTenzingさんは敷地を広く用意して森を確保し、敷地内に池を作りゾウが好むバナナの木を植えてゾウが住みやすい環境を逆に作った。

するとゾウのが野生で集まるようになり繁殖し、ついにはゾウが150頭住む茶園になった。

「大きさとか量を追い求める気はない。環境が保てる適度なところで良さを追求したい」

何を大切にし、何を追い求めるかが揺るぎない。

今では一から追究してきた有機農業を様々な農園に教えている。インドでは徐々にオーガニックの熱が高まってきているそうだ。

お茶という物体だけでなくこういう信念とかストーリーを一緒に伝えていきたいんだよな。

ゾウの親子の群れ。野生なので遠目から。


Tenzingさんと今後も連絡を取り合おう、とお別れをした。

別れ際に

「ディブルガル行くんだろ?そこにいる知り合いのオーガニック農園やっている人紹介するよ!マドゥアルドというんだ」

と連絡をしてくれた。

グワハティのさらに西の街ディブルガルに向かいます!

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