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人とのミラクルなご縁でアッサムが第二の家みたいになった

アッサムは思い出深い場所になった。それは目的地だったからではなく、偶然出会った人達がそうさせてくれました。

マドゥさんとのご縁

とある日はアッサム北東の端っこの街、ディブルガルでSonuさんという農園の方と会うことになっている。朝に電話をしてみると

「え?私はディブルガルには住んでないですよ。そこから40キロのティンスキアという街に住んでいます」

なにー!!。。ここからティンスキアへの電車は1日1本しかない。今出ればギリ間に合うかも。。

ということで着のみ着のまま駅に向かってダッシュ。

なんとか乗り込みティンスキアに着くことができた。

その時マドゥアルドさんからメッセージが来た。

マドゥアルドさんは先日ゾウの溢れる農園のTenzingさんからご紹介された方。

ゾウの溢れる農園に行き着いた経緯はこちら

「今どこにいるの?」


マドゥアルドさんとは1週間前からメッセージをやりとりをしていたが予定が合いそうになく今回は会う機会が流れかけていた。

「今ティンスキアという街に着いたところです」  

と送ると、


「え、俺も今ティンスキアにいるよ。しかも駅の前に。なんでここに俺がいること知ってるんだ?!」


なんじゃそりゃ!!知らなかったよ!!
しかもマドゥアルドさんのご自宅はティンスキアから80キロも離れたところ。完全に偶然だ。

車の修理のためにたまたま来ていたらしい。

マドゥアルドさん

「なんてこった!!初めまして!!」

そんな初対面を済まし、農園に行くまでの束の間で一緒にお茶をした。そしてその後別れた。

マドゥミラクルは続く


終日農園に行ってホテルに戻った時に、

「タカ、今どこにいるんだ?」


とマドゥさんからメッセージ。 
この人はどこかから僕のことを覗いているのか。。?

「今ホテルに帰ったところ」

と答えるや否やマドゥさんがロビーの自動ドアをくぐって現れた。

「ハロー!!」

飲んでいた水を吹き出した。

吹いた水が地面に落ちるより早くマドゥさんが


「おい、俺にいい考えがあるぞ。ここから40キロの街にお茶づくりのスーパーマンがいるぞ。一緒に行こう。」


マジですか笑

と言っている間にそのスーパーマンに電話をかけ始めているマドゥさん。切るや否や、

「タカ、お前は奇跡に恵まれてるぞ。彼がワンコールで出た。彼の家に泊まれる部屋があるんだが今日、当日キャンセルが出た。超多忙で普通会えない。インドお茶界のスーパーマンでもあるから絶対行った方が良い」


もちろんGoで!!そう答える間もなくチェックイン済みのホテルに返金交渉をしてくれている。もう感謝のしようがない。。


返金をしてもらって出発。その方の家に着いて地図を見たら朝いたディブルガルの街だった。

お茶づくりのスーパーマンRajenさん

Rajenさんと

Rajenさんのお宅に着いてからはずーっとお茶の話。お茶に携わって45年。ご家族で自宅兼工場のこの場所でオーガニックのお茶作りをしている。

インドの紅茶政府機関の審査官でもあり、世界的な紅茶アワードも受賞し様々な農家に講習実施。マドゥさんがレジェンドというのも頷ける。

お茶の加工工場
美しい自宅の庭
Rajenさんとマドゥさん

Rajenさんのお話は信念と温かさに満ちていた。

良いものを届けるんだ。結果は後からついてくる。

お茶づくりは美しい。自然と人間の協働だ。

お茶づくりって言うけど最も大切なのは農園のワーカーとの関係性。結局は人なんだ。


何をどうしたって土の質に勝る要素はない。土を痛めて目の前の利を取ることは膨大な未来の可能性を捨てているのと同じだ。



約半世紀お茶づくりにかけてきた言葉は重みがありました。

良いものを作れという言葉は亡くなった祖父が言っていた、最大よりも最良を目指せ、という言葉となんだか重なるなあと思った。


深夜までお茶談義をみんなでした後、マドゥさんが

「よし寝るぞ!ここが部屋だ!」

と一緒に部屋に来た。あ、マドゥさんも一緒に泊まるのねということに気づいた。


「出会ってまだ12時間の奴と夜には一緒のベッドに寝ることになるなんて不思議だなあ!人生でこんなことは2回目だぜ!」


というマドゥさん。1回目の経験は昔に南米ホステルでベネズエラ人の女性と同ベッドになって迫ったものの相手が同性のみが対象で断られて玉砕したというお話でした。

「マドゥ、一応伝えておくけど僕は同性はそういう対象ではない」

と伝えるとマドゥさんはハッハッハッハと大きく笑ってその数分後には寝息を立てていた。


おおらかで快活というのはこういう人なんだな。

農家に泊まろう!再び


翌日はマドゥさんの友人の農家を訪ね、お茶の加工機械工場に立ち寄り、夜はご自宅に泊めてもらった。色んな方々に会えて怒涛のように2日間が過ぎた。

皆さん温かく、楽しい時間を過ごさせてもらいました。

伝統づくりの軒先で紅茶と日本茶を飲み比べ
牛の鳴き声を聞きながらお茶をたてました
マドゥさんの友人のSailenさんと
お茶機械工場の皆さんと
日本語を書いて見せたらすぐに覚えてくれました
アッサム茶の紅茶、緑茶、白茶を飲み比べ
マドゥさんの1歳の娘さん
マドゥさんご家族と


アッサムでの入り浸り先


アッサムにいる間は何度も会ったり入り浸っていた場所や人たちがいる。

理由も目的もなく行くか、という場所や時間ができたことはとても嬉しかった。


カレー屋

とあるカレー屋は7日で11回通った。ポークカレーが美味しすぎるのだ。

言葉はほぼアッサム語しか通じないのだが日に日に顔見知りが増えていき、出入りするメディア記者に取材をされる日もあった。

そしてメディアに放映された。


いつしかとりあえずここに行けばカレーを一緒に食べながら話す友人がいるという状況ができた。

毎日の溜まり場 になった7日で11回通ったカレー屋のみんな
マイクをむけてインタビューをされる。
内容は「YOUは何しにアッサムへ?」
食べ続けたポークカレー


街のお茶屋

街の中のお茶屋を訪ねては話してということを繰り返していると夫婦でお茶産業に関わっている店主のRameshさんに出会った。

ふらっと立ち寄って話すみたいなことを4、5回はさせてもらった。街の楽しいお茶屋さん。アッサム中の大小様々な茶園とつながりがあるらしく輸出免許も近々下りるそう。

奥さんは紅茶ブレンダーで弟は農園を営んでいる。

とにかく話すのが速く僕がインドで出会った中でぶっちぎりで話すスピードが速い。知識量と肺活量がえげつないのかひと息で果てしなく話し続けることができる。

Rameshさん
背後の絵は奥さん作


フォトスタジオ

農園の方からの紹介でブランディング、輸出入を取り扱っているフォトスタジオのHemaさん達と会った。一緒にご飯に行ったり、後日市内を案内してもらった。

フォトスタジオの皆さんと
持って行った日本茶に興味津々

やはりここでもYOUは何しにアッサムへ的イベントが生じた。紹介元の茶園を訪れた感想を欲しいと言われインタビューをされた。

気軽かと思ったらガチだった。

照明と機材を使って撮影。さすがフォトスタジオ


飛行機で発つ時、外の景色を見ながらアッサムってでっけえなと思った。たくさん味わったけど全然味わいきれていないのは間違いない。

言葉に表しきれないけど、アッサムとは繋がっている。

外を眺めながら色んな人の色んな声が思い出された。また必ず来よう。



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