原発性局所多汗症の当事者の思い
「原発性局所多汗症」とは手のひら、足の裏、腋窩(脇の下)、頭部など身体の部位出過剰に汗をかく疾患のこと。
私も「原発性局所多汗症」の「当事者」です。
「手掌足蹠多汗症」の「当事者」です。
この「原発性局所多汗症」とは50余年ほどのつきあい。
今年(2023年)に「原発性局所多汗症」の「ガイドライン」が改訂されましたが、実は2015年まで「ガイドライン」はつくられていませんでした。
某医師は「8年ぶりに改訂された」と言っていましたが「当事者」にとっては遅く、長かったと思いました。
「原発性局所多汗症」は治療方法はあるものの、完治させる治療方法は未だに確立されていません。
「難治性疾患」と呼ばれていても研究すら進まず、「難病」ではなく「難病等」とされ、「障害者総合支援法」に指定されていても、窓口では不思議な顔をされ、それを利用することも出来ませんでした。
そして「原発性局所多汗症」は身体の部位によっては「治療費」が保険適用だったり、保険適用外だったりと不公平を感じずにはいられません(薬の副作用の問題とかもあるかもしれませんが)。
「保険適用」の「治療方法」を選べばいいじゃないか!
そうでしょうか?
「当事者」は「治療方法」すら選べないのですか?「表現の自由」があるように「選択の自由」もあるのです。
これまでの「原発性局所多汗症」の「当事者」として人生、このまま止まったままでは後悔だらけの人生。
以前より「非営利団体(NPO法人)」または「任意団体」の設立を考えていました。
実は昨年(2022年)秋に東京都庁にてNPO説明会・個別相談を受けています。
「非営利団体(NPO法人)」「任意団体」はどちらも長所・短所、メリット・デメリットがあります。
どちらを選ぶかこれからじっくり考慮していきたいと思いながらこの1年考えて考え抜いて、ある思いに着地しました。
それは、、、。
2020年1月に「ETS手術」を受けました。「手掌足蹠多汗症」発症から50余年と長い年月が経っています、発症から手術まで50年。
なんだか疑問を感じませんか?
正しくコレは「周知・認知・理解」されずにいたことだと思っています。
リスク覚悟の決断でしたが、いちばんの理由が「この手のひらの汗からの解放」でした。
「ETS手術」後、病室のベッドの上で手のひらの汗が止まっていることに驚き、希望に満ち溢れてると感じ、これまでの人生を振り返るとともに、これからの人生について考えたときにこのまま人生を終えるとき後悔だらけの人生だったと思いたくないと考えはじめました。
再び夢を抱きはじめた矢先、世界中を震撼させた「新型コロナウイルス・covid-19」により全てが停止したままとなりました。
WITH コロナの3年間。
私の身体に異変が起こりました。
ETS手術後に「代償性発汗」を発症。
はじめのうちはこんなもんだと思っていたのですが術後1年、2年と経過するごとに「代償性発汗」が酷くなりました。
そしてETS手術後3年目、プロバンサインの服用を決意しました。
できることなら、できるだけ薬の服用は避けたいという思いも消えていきました。
2023(令和5)年6月
日本初(世界初) の保険適用「原発性手掌多汗症」治療薬「アポハイドローション20%」が承認製造販売されました。
それとともにCM(コマーシャル)などの広告、ニュースやSNSなどで話題に上がったりもしました。
うれしさもありましたが一抹の不安もありました。
それは一時の出来事で終わってしまうのではないのかということです。
予感は的中、一瞬で消えてしまったようです。
1ヶ月程で消えていっていきました。
それでもまだネット記事はふと現れたりもしてはいるのですが、、、。
ところが「手のひら汗」はじまり「腋窩(脇の下)多汗症」「多汗症治療」、そして最後は「多汗症」も工夫さえすれば気にならなくなり、快適に過ごせるなど。
ネットを覗くと大騒ぎしながら「私も多汗症かもしれない、こんなに汗かいても、、、」たぶん、それは「単なる汗かき」です。
「多汗症」などと思わないでほしいのです。
期待はしていませんが以前と何ら変わらない、進歩の無い内容ばかり、終いには「アポハイドローション20%」の広告で終わり。
要するに「多汗症」と言う病気と「多汗症治療の紹介」記事に留まっている。
とても悲しく残念でなりません。
「アポハイドローション20%」の登場は「原発性手掌多汗症」の「当事者」さんにとっては喜ばしいことなのですが、これ以前に「原発性局所多汗症」を発症し、これまでいくつもの治療を受けてこられた「当事者」さんにとってとても複雑な心境、厳しい現実があることも事実です。
「原発性局所多汗症」の中で私自身が患っている「手掌(足蹠)多汗症」は手のひら(足裏)の多量の汗をかき続けるものです。
「手掌多汗症」のありとあらゆる治療を受けてきましたがどれも効果もなければ完治すること無く、治療方法によっては保険適用外、高額医療とリスクを抱えています。
手のひらに汗をかきながら仕事をする。
仕事のために治療を受ける。
これには限度があります。
まるでそれは底なし沼、負のループです。
そして最終手段として選んだのが「ETS手術」です。
「ETS手術」は「保険適用」され、「限度額適用認定」が使えます。
経済的にはとても楽になりますがリスクもあります。
「ETS手術」を受けると手のひらの汗は90%以上止まると言われています。
その代償として手のひら以外から多量の汗が出る「代償性発汗」を発症します。
「代償性発汗」は術後副作用。
「代償性発汗」に耐えきれずに「ETSリバーサル手術」というものもありますが日本では認めらてはいないため悩んだ末に海外にて「ETSリバーサル手術」を受けたという記事も目にします。
術後副作用はこれ以外にもあると言われていますが、未だわからないことも多く、また「代償性発汗」発症により深く後悔する方も多いときいております。
これらのことから「ETS手術」は理解されず、反対する方も多くいるのも現実です。
ここで問題勃発。
「原発性局所多汗症」の「当事者」さんは「治療」と「仕事」で一生悩み続けなければならないという現実にぶち当たります。
これをどうにかしたい!
「人生100年時代」
誰もが自分らしく生きられる時代。
しかし「汗」によって陸の孤島に漂っている。
思いおこしてください。
例えば「聴覚障害」には「手話」や「聴導犬」、「視覚障害」には「盲導犬」などがありますが、「原発性局所多汗症」は「汗」には助けてくれるモノがありません、、、。
今、この瞬間誰もがSNSを使い自由に発信できる。
好きを仕事に!
一億総活躍社会、誰もが起業できる時代です。
そこで思いついたのが「原発性局所多汗症」の「当事者」による「当事者」のためのステージです。
ただの思いつきだろう。
そう思われるかもしれませんが「当事者」だから理解できることがあるのです。
口で言うほど簡単なことではありません。
それは100も承知です、それでも実現したいんです。
それは私自身が「当事者」の立場だから。
これまでの経験を活かさなければ後悔する。
「原発性局所多汗症」
手のひらの汗、足裏の汗、頭部の汗、腋窩(脇の下)の汗、全身の汗と「代償性発汗」
汗に悩まず好きを仕事にする!
これまで培ってきた技術、スキルと資格を活かした仕事。
またこれから技術や資格の取得したいと考えている方への支援。
これまで「汗」であきらめてきたことを実現する、これを実現させるためのステージ。
また近頃、「多汗症」グッズも多く見られるようになりました。
需要と供給が問題なのかもしれませんがまだまだ高価というデメリットもあります。
例えば「耐水性ノート」
素晴らしいと思いますが学生・児童さんや無職という方々にはノート1冊¥500は手が出せません。
「耐水性ノート」の開発も重要ですが、負担がかからない方法だってあります。
これは日用品だけではなく、治療費の負担も重くのしかかってくる。
これらの負担の軽減や支援方法などを模索、起業という選択をしました。
起業するためには資金が必要です。
低予算で実現させるために「非営利団体(NPO法人)」または「任意団体」の選択となりました。
この1年「非営利団体(NPO法人)」「任意団体」や起業するために何が必要なのか?どのように進めていくのかなどを学び、調査し、纏めてきました。
まだまだ準備をしなければならないことが山のように残っているのですが、正しく「0」からのスタートです。
「原発性局所多汗症」の全ての「当事者」さんが生きやすい社会であってほしい。
祈る、思うだけでは始まらない。