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Mr. CHEESECAKE|シェフ 田村浩二×茶道家 岩本涼【対談完全版】

こんにちは
株式会社TeaRoomです。

Mr. CHEESECAKEの誕生3周年を記念した限定の抹茶フレーバー「Mr. CHEESECAKE Oribe(ミスターチーズケーキ オリベ)」へ、希少品種「あさのか」の抹茶を提供いたしました。
TeaRoom代表取締役であり、茶道家である岩本が、Mr. CHEESECAKEのシェフ・田村さんを茶室にもてなし対談した様子をお届けします!


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■Mr. CHEESECAKE とは
フレンチレストラン出身のシェフが、その感性と確かな技術でこれまでにない食感、香り、味を実現。レストランデザートのような濃厚かつ儚い口どけと、バニラ・レモン・トンカ豆が生み出す、甘く爽やかな香りが特長で、温度によって変化する味わいと香りを楽しめる全く新しいチーズケーキです。


HP:https://mr-cheesecake.com/
Twitter:https://twitter.com/mrcheesecake_TK
Instagram:https://www.instagram.com/mr.cheesecake.tokyo/


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■対談相手
田村 浩二(たむら こうじ)氏


料理人として13年レストラン業界で働く。シェフとして働いた2年間で、World's 50 Best Restaurants の「Discovery series アジア部門」選出、「ゴーエミヨジャポン2018期待の若手シェフ賞」を受賞。香りをテーマに様々なプロダクトを開発。現在は Mr. CHEESECAKE の他、複数の事業を手掛ける事業家、経営者としても多方面に活躍。

Twitter:https://twitter.com/Tam30929

■はじめに

岩本 涼(以下、岩本):本日はお越し頂きありがとうございます。せっかくのご機会ですので茶会の形式で対談を進めてみたいと思い、茶道具をしつらえて田村さんにお茶室にお越し頂きました。
実際に「Mr. CHEESECAKE Oribe」の原料で使用した抹茶を飲んでいただきながら、お話し出来たらと思っております。

ちなみに、茶会では、会で使用した茶道具やお菓子を記す「会記(かいき)」というものがあります。本日の会記はこちらになります。

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画像1:会記
釜  丸釜            與斎造
炉縁 色紙散し蒔絵        象彦造
水指 海松貝蒔絵手桶       象彦造
薄器 平棗 「四君子蒔絵平」   光秋造
茶杓 坐忘斎作 銘「松可枝」
茶碗 赤楽            了入造
  蓋置 大樋焼
  建水 セラドン焼 タイ製
御茶 銘「あさのか」     TeaRoom詰
菓子 銘「Oribe」  Mr. CHEESECAKE製
  器 織部八角皿 美濃焼

岩本:田村さんが、「洋」のものであるチーズケーキに、「和」の抹茶をあわせた「Mr. CHEESECAKE Oribe」に対して、「和」の空間である茶室にて、世界中の茶道具で「洋」を表現した設えを、ご用意しました!

会記をよく見ると、「御茶『TeaRoom詰』」、「菓子『Mr. CHEESECAKE製』」と記してあります。
時代ものの茶道具である古い文脈と、今回の発売の新たな文脈を、ひとつの会記の中におさめられたら私たちらしくて良いな、という私たちのこだわりです!

田村 浩二(以下、田村):楽しみです。それでは、よろしくお願いします!

■チーズケーキと合わせて香りの立つ抹茶

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画像2:田村氏

田村:今回「Mr. CHEESECAKE Oribe」をつくるにあたって、TeaRoomに声をかけたのは僕からです。
Mr. CHEESECAKEの3周年という記念すべきタイミングなので、世界を見据えているブランドだということを表現したかった。そこで、世界に持っていっても日本を感じられるフレーバーは抹茶だ、と思いました。

開発にあたっては、一般的に手に入る抹茶だとどうしても味や香りが制限されてしまうと思い、自分のイメージに近い抹茶を岩本くんに選んで欲しいとお声がけしました。

岩本:TeaRoomとして日本茶産業に参入していく上で、生産からお客様の口にお届けするまでをTeaRoomのグループ企業内で完結させる形態をとっています。
この中で、私たちに求められているのは新たな需要を開拓してくことだと強く思っています。

そこで、日本茶をどう活用していくかと考えていく中で、お茶をメインフレーバーとして捉えながら、何かとあわせた時に相乗効果を生むものにしたい、という田村さんの発想に共感しました!

■他では味わえない、心地のよい香りのするチーズケーキ

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画像3:Mr. CHEESECAKE Oribe

田村:抹茶フレーバーをつくる上で、とにかく「香りのよい抹茶を使いたい」というオーダーをしました。
どうしても、世の中の人がイメージする抹茶は、苦味があって緑色のものだと思います。ただ、僕は本来の抹茶はそんなに苦いものではないと分かっていました。

岩本:そうですね!

田村:今回つくる上で懸念していたことは、世の中の人が持つ抹茶のイメージと、本来の美味しい抹茶の味が乖離しすぎてしまうこと。
香りがありつつもほのかな苦味があるバランスがよいもの、かつチーズケーキという乳製品とあわせた時もしっかりとその良さが活きるものにしたい、という相談をしました。

岩本:最初に何種類かお送りして、方向性を考えつつ、品種や性質を見ながら進めていきましたね。

田村:はい。ちなみに、僕の感覚では、香りには、明るさ・暗さと、トーンの高さ・低さがあるんです。

世の中に出ている抹茶のお菓子は、糖度が低く苦いので、暗くてトーンが低くて味が沈んでしまっている印象です。すると、食べた後の香りや味が伸びていかないんです。苦味だけで抹茶を感じて、そこで止まってしまう。

僕は、香りと同時にうまみや味わいが波を打って、だんだんと伸びていくというケーキの作り方を意識しています。
そのため、抹茶の香りが沈んで消えていかないように、コクのあるマスカルポーネを加えるなどして、味の甘味、うまみ、酸味などから感じる抑揚と、香りの印象をどう繋げるかを考えました。
このバランスを取るために、香りと心地よい苦味や渋味をあわせ持っているものが欲しい、という話をしながら、使う抹茶を決めていきました。

岩本:抹茶のやり取りを何回もした、こだわりの抹茶です!

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画像4:Mr. CHEESECAKE Oribe

田村:「Mr. CHEESECAKE」は、シェフである僕の感覚を活かして、他では味わえない美味しいものをつくっていくブランドです。
僕たちらしい、他では味わえない美味しいものをつくりたいという意識があるから、抹茶フレーバーは、ただチーズケーキに抹茶を加えたというのでは意味がなかったんです。

だからこそ「Mr. CHEESECAKE Oribe」には、バナナやクローブ、山椒を加えることで、抹茶とのバランスを整えつつ、口に入れて飲み込んだ後に鼻に抜けて残る「戻り香(もどりこう)」をいかに心地よい抹茶の印象にするかを考えました。
みんなが知っている抹茶の苦みはありつつも、抹茶ってこんなに香りが良いものなんだ、と感じてもらえることを目指して。

岩本:私も「Oribe」を頂いた時、その余韻の長さに驚きました。この抹茶の香りと味を最大化して、口の中に入れたような......。

飲料として飲むだけでは、ここまでしっかりと抹茶の香りが感じられないけれど、乳製品やスパイスが加わることで、こんな味の雰囲気に着地するんだと思いました。

■3種類のブレンドをした、このケーキのための抹茶

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画像5:抹茶をお点てする岩本

岩本:ひとことで香りのよい抹茶といっても、お茶の香りにはフローラルなものも、ミルクのような甘みのあるものも、青々しいものもあるんです。
お茶の生産地ごとにもその特徴の違いはあらわれるので、様々な産地や品種の中から一緒に検討していきました。

どうぞ。(田村氏にお茶を差し出しながら)

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画像6:抹茶を飲む田村氏

田村:美味しいですね!

岩本:本来ならば、チーズケーキに使う抹茶で、薄茶にしても美味しく飲めるものってなかなか無いんです。原料用の抹茶はえぐみが強く、香りがたってこないことが多いので。

今回は「あさのか」という希少品種を使用して、他にも2種類の抹茶をブレンドしています。
トップに抜ける栗のようなほくほくした香りに、まろやかで濃厚な旨味、そしてチーズケーキとの相性を考え、最後にキリッとした渋みがきくようブレンドをしました。

田村:Mr. CHEESECAKEとして今回最も伝えたいのは、抹茶は本来こういう味わいなんだ、ということ。

日本にはこんなに素晴らしいお茶があるんだと、このチーズケーキを通してぜひ多くの人に知って欲しいと思っています。

■食べたものの味は、香りに紐づいた記憶と結びつく

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画像7:茶室

田村:僕は、日本に昔からある美学を、もう少し今の時代にフィットするように伝えたいと思っていて。

Mr. CHEESECAKEを通して、本来のお茶のおいしさや多様性、日本の美しさを伝えたいし、今回の限定商品を通して抹茶の新しい一面を伝えたいんです。

「Mr. CHEESECAKE Oribe」にブランドの美学やお茶の美学を詰め込み、そのケーキを食べた人がどう感じるのかがとても大切だと考えていて、そこまで意識してケーキをつくっています。

岩本:これを食べた人が、もっとこのケーキのことを知りたくなったと感じていただけるものを届けたいということですね。

田村:僕はお茶の知識がさほどないので、どういう香りのどんな性質のお茶が、どのくらいあるのかが分からない状態でした。単に「抹茶を使いたい」といっても選択肢がなかったんです。
そこで、僕がどんな抹茶が欲しくて、商品をどこに着地させたいかについて説明した上で、それを選んでくれる岩本くんのような人が必要だった。

初めて岩本くんに会った時、良い意味で、お茶馬鹿だなあと思いました(笑)
香りに関しても詳しく教えてくれるので、僕は食材の香気成分に関してはマニアックに調べていたこともあり、同じ目線で話せる人として貴重だと思ったんです。

岩本:ありがとうございます!香りによって、味はコントロール出来てしまうので面白いですよね。
乾物である茶葉は、飲む時は基本的に水抽出という方法だけ。でも、少しでもレモンの香りを入れることによって味が変わるという科学がとても興味深いんです。

田村:うんうん。うんうん。結局、人間が食べ物の味を覚えているのは味覚ではなくて、嗅覚に連動した記憶だと思っていて。食べた味をどう想起させようかと考えた時に、味わいだけでは想起されないので、嗅覚から記憶に訴えかけようとする。

これらは、その人が過去に食べたものの記憶と、今食べているものの差分でしか判断できないと考えています。中には絶対音感のように味覚を使える人もいるけれど、それはごく一部の例外であって......。

そうであれば、これまでに体験したものよりも、今食べたものが美味しい、そして、それが長く記憶に残るような設計にする必要があると考えています。

■新たな道を切り開く、「Oribe」に込めた想い

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画像8:お茶をお点てする岩本

岩本:これまで限定フレーバーを出す時は素材の名前をつけていました(「Mr. CHEESECAKE Lychee milk Strawberry(ミスターチーズケーキ ライチ ミルク ストロベリー)」など)よね。今回はどうして「Oribe」と名付けられたのでしょう。

田村:そうなんです、今回初めて「Oribe」というテーマ性のある名前をつけてみました。

岩本:古田織部という茶人からこの名前が付いたと伺いました。アバンギャルドな姿勢をお持ちの方として有名ですね。

田村:まさに。まさに。茶の世界の新しい価値を切り開いた古田織部の様に、Mr. CHEESECAKEも食の新しい価値を切り開いて行きたいと思い、「Oribe」に決めたんです。

味に関しても、クリエイティブに関しても、現時点で世界に出ても恥ずかしくないものをつくろうと思っていました。
今回のデザインでは、抹茶だからといって和のテイストで表現をするよりは、日本人が直感的に「これって和のものだよね」と感じられるものや、マテリアルによってそれを想起させられる余白を残しつつ、海外の人も日本のクールさを感じられるという点を意識しています。

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画像9:田村氏

田村:世界に進出する時にこの商品の販売について考えるのではなく、いまこの瞬間でもMr. CHEESECAKEは世界に認められるクオリティがある、というイメージを持っています。
それは、海外で販売をしたからといって世界進出というわけではなく、常に世界基準でものをつくり、それが自然と世界に出ていくことが本当の意味での世界進出だと考えているからです。

だから、「Oribe」のクリエイティブも、デザイナーが日本の美学と世界のトレンドをどちらも意識してつくったと自信を持って言えます。

岩本:素敵です。とても共感します。

今、世界共通のプラットフォームはたくさんあって、言語の壁は少なくなってきているので、日本で面白いコンテンツがあれば、世界にも広まっていくと思っています。もの自体は物流の発展によって世界に届けられるので、認知を広げていくためには、日本の深堀りが必要だと思いますね。

■茶室の中で、Mr. CHEESECAKEの世界を表現

岩本:今回は、そんな田村さんのお話を「Mr. CHEESECAKE Oribe」の作成段階から少しずつお伺いしていたので、世界中の菓子器をご用意させていただきました。Mr. CHEESECAKEの世界を、茶室の空間の中で旅できたら楽しいなと思って!

まず、田村さんの目の前にある、メインの菓子器ですが、これは織部という色をした美濃焼のものになります。

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画像10:菓子器(織部八角皿 美濃焼)

次に、チェコの菓子器です。ブルーオニオンというデザインがあしらわれた、カールスバードというチェコで生まれたブランドのものです!

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画像11:菓子器(カールスバード・ブルーオニオン チェコ)


次は、イギリスのものです。250年以上続くスポードというイギリスで親しまれているブランドのお皿。
惚れ惚れするような、綺麗な絵ですね......!

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画像12:菓子器(スポード イギリス)


最後は日本、京都の老舗漆器店「象彦」の塗盆です。この菓子器は、今日のお茶会で使用した、炉縁と水差しと同じお店のものです!

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画像13:菓子器(塗盆 象彦製)


世界の菓子器の上にのった「Mr. CHEESECAKE Oribe」はどれも、雰囲気がガラッと変わってよいですね!

■ペアリングドリンクにはハニーホットミルクを

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画像14:Mr. CHEESECAKE Oribeとハニーホットミルク

岩本:このチーズケーキと合わせて飲んで欲しいドリンクには、ハニーホットミルクを選んでいらっしゃいますね!

田村:はい。例えば、抹茶フレーバーにお茶をあわせてしまうと、確実に美味しくマッチする想像がつきますよね(笑) 

岩本:香りも同じですし、絶対美味しいと思います!

田村:そこで、「Mr. CHEESECAKE Oribe」の抹茶の香りをもっと引き立たせるためには、まず口の中の温度を上げるドリンクを選ぼう、そして、柔らかな味のミルク、お茶らしい青々しい香りを引き出すオリーブオイル、抹茶の甘味を引き立たせるハチミツでバランスを整えようと、ハニーホットミルクを選びました。

冷たい状態で楽しむチーズケーキでは感じることが出来ない香りを、温かいドリンクが引き出してくれます!

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田村:本日は、たくさんお話が出来て良かったです。

岩本:私もです!お越しいただきありがとうございました。召し上がった皆さまの反応をお聞きするのが、とても楽しみですね!

■「Mr. CHEESECAKE Oribe」製品情報

■ Mr. CHEESECAKE Oribe 製品情報
販売日:2021年4月4日(日)・4月11日(日)
価格:¥5,400(税込)
URL:https://mr-cheesecake.com/

「Mr. CHEESECAKE Oribe」は、特別にブレンドした抹茶をベースに、バナナやバニラ、山椒、スパイスのクローブを合わせたチーズケーキです。上質な抹茶の旨味と香りを楽しんでいただけるよう、これまでレモンやライム、サワークリームなどでつけていた酸味を抑え、代わりにコクのあるマスカルポーネを使用することで、抹茶の旨味を際立たせました。

さらに、山椒が持つ柑橘系の香り成分は抹茶のハーブ香と相性が良く、クローブは抹茶のスパイシーさや僅かなスモーキーさを引き立てます。これらの香りを組み合わせる事で、より立体感のある香りを創り出し、余韻が生まれる味わいに。苦味は心地よく感じる程度にとどめ、旨味と香りを味わえるフレーバーに仕立てました。

「Mr. CHEESECAKE Oribe」におすすめのペアリングドリンクは、ハニーホットミルク。優しい甘さのミルクの風味が抹茶の味わいを引き立てます。

■TeaRoomについて

株式会社TeaRoomについて、創業から現在の事業、そして今後の展開についてまとめました。是非ご覧ください!


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