あの香りはあの木が纏ってるからこそ、
秋になって、すれ違う人からふと金木犀の香りが漂ってくることが増えました。
香水なのか、あの木に包まれたのか。
最近は金木犀を名乗る香水が多くなりましたね。
学生の頃はあの香りを纏いたくて、どれが1番近いのか、自然に感じるかを熱心に調べていたことをふと思い出しました。
駅であの香りとすれ違う度に、橙色の可愛い小花を探すため、周囲を見上げます。
駅中なので当たり前に姿を認めることはできません。
そりゃそうだと思いつつ、少し寂しい!
基本的に外で晩ご飯を食べたあとは、家まで約1時間半の道のりを歩いて帰る私。
酔っていても、お酒を飲んでいなくても、
夜風にあたりながら歩いて帰ります。
今日、ご飯を食べた帰り道、
ちょうど今さっき、
あの香りが鼻を掠めました。
どこかの会社の駐車場横を通り過ぎているところで、
たくさん木の影が横に並んでいたので、この子たちか。と見上げました。
夜の街明かりに照らされた、小さな橙色の花がつぶつぶと咲いていて、思わず愛らしいなと溢しました。
あの香りは間違いなく好きだけれど、
あの姿形が纏う、あの香りが堪らなく好きなんだろうな。
去年より若干長く感じる秋の中、もう少し夜の散歩が楽しめるだろうなと思います。
少し寂しい秋風のにおいと、
あの可愛らしい小花と、あの香りのおかげで。
2024.10.30
どれだけ経っても伝えたい相手が彼で、
なんとも堪らないね。