見出し画像

2024 インカレロードレース

2024年 文部科学大臣杯 第79回 全日本大学対抗選手権自転車競技大会
通称インカレロード

当初長野県大町市で開催される予定でしたが、台風のため2週間延期され、群馬県サイクルスポーツセンターで行われました。

コースは、1周6km×25周回   150km です。

大学2年のGENは、春に膝を痛め、試合から遠ざかっていました。一応レースに出場するものの、怪我を悪化させないようスタートから20kmでリタイアすることが通例になっていました。

リハビリ中は、いかに膝や腰に負担をかけずに走れるか、そのことばかり考え、チームメイトとは別メニューで、ゆっくり調整していました。地道な基礎トレーニングを繰り返し、腸腰筋だけを意識して数ヶ月を過ごしました。

大会前に帰省したとき、高校3年のYAMATOと練習しました。強度を上げたトレーニングは始めて間もないということでしたので、正直、YAMATOのほうが走れるのではないかと思っていました。ところが、二人で練習を始めると、YAMATOがまるで付いていけないほど仕上がっていました。怪我の影響で、考え方やトレーニング法を変え、大きく成長した感じです。


迎えた大会当日
ここでようやく正式に出場メンバーに選ばれました。

天候は、曇りから雨へ

レース スタート


1周目からチームメイトによる驚異の逃げ
(中学から一緒に走っている選手ですが、今までで最高の体つき、顔つきになっている)


心臓破りの坂


この辺りはヒルに注意、多くの観客が被害を受ける


チームで前方を固め、アタックをチェックしていく
一時、逃げているチームメイトの差は5分まで広がる
チーム内では、ラップのことを意識し始める


追走集団ができ、そこにチームメイト2名が加わる
レース終盤、追走集団とメイン集団との差は1分30秒


GENはレース前、「絶対動いてはならない」と念を押されて、集団待機を命じられていました。
しかし、終盤に追走との差がどんどん広がると、メイン集団全体が諦めモードになっていました。

万事休す。

「このまま待機していたら、レースは終わる」
そう感じていました。

そのとき、坂の頂上にいた監督から「GEN、行けー、一人で追いつけー」と指示が出ます。「動いてOK」のサインですが、作戦がメイン集団全員に聞こえているため、かなりの難題です。

それでも指示通り、仕事をはじめます。

ただ、ここでいきなりアタックするのではなく、まずはジャブを打ちます。

軽くアタックして全員が付いてくるのを確認してから、集団を活性化します。

そして先頭でペースアップ。

追走との差が詰まり始めます。

そうなると、集団全体が元気になってきます。

追走集団に乗せてないチームがコントロールをはじめ、アシストを使い切りながら、どんどんペースをあげ、GENはそこに乗っていきます。

メイン集団では、中学のシクロクロス時代から共に走る選手が、力強い走りを見せる



そして、追走集団との差が1分を切るのを待っていました。
心臓破りの坂で単独アタック。
集団から飛び出し、一人で追走集団へ合流成功。
このあたりの見極めは、冴えわたっています。

指示を受けてから3周ほどかけて、追走集団の後ろにひっそりと隠れるように合流
しかし、メイン集団もすぐ後ろに迫ってきている
残り2周、驚異の逃げを見せたチームメイトが捕まる



ラスト1周 集団はひとつ
チームメイトによる牽引により、集団は縦長でアタックがかかりにくい状態


ラスト1km、さらに強力な牽引が続く
GENはしっかり後ろについて勝負に備える


スプリントになった場合、チームには誰もが認める絶対的エースがいます。ただ他のチームからのマークがキツイことがわかっています。

レース前、「最後サポートしましょうか?」というGENの問いかけに、「先輩後輩関係なしに、二人で本気で取りに行こう」とエースから答えが返ってきました。

そして、そのときがやってきました。

ラスト50メートル


ラスト20メートル


ゴール  一歩届かず 3位

(興奮しすぎて、ピントを外す)



悔しがるGEN、大泣きする娘、最後まで無事走り切ったことに満足する妻
手首には、忘れてはならない「I will never give up」のリング

(序盤にギャップを踏み、衝撃でハンドルが大きく下を向いてしまうが、そのままレースを続行していた)


表彰式のあと


チームとしては、3位4位5位と入って、総合優勝を獲得

優勝した選手は強かったです。おめでとう。
出場した選手それぞれに、大きなドラマがあったことでしょう。


私は外から見ているだけですが、
それぞれの選手が、終始、逃げ続けたり、チェックしたり、牽引したり、チームとして素晴らしい内容でした。そして選手を支えるサポートスタッフも強力です。スポットライトは当たりにくいですが、驚くほどスピーディで正確な仕事ぶりでした。

高校生のインターハイでも感じることですが、強いチームは、サポートも強力です。それは人数の問題ではなく、監督を中心に気持ちが一つになっている感じがします。仮に、サポートの気持ちがしっかりまとまっている順に並べると、だいたいチーム総合成績と一致するような気がします。今回優勝した選手のチームも、大規模ではありませんが、選手やサポート、応援団がいい雰囲気でまとまっているように見えました。そう考えると、個の力より、まずはチームで一つの目標に向かう雰囲気や環境作りが重要だと感じました。他チームも含め、サポート選手何名かとお話しさせていただきましたが、「来年は絶対出ます」と元気に目を輝かせていたのが印象的でした。

今回も多くの選手、サポートスタッフ、監督、コーチ、親御さんに、たくさんのことを教えていただきました。そしてロードレースの楽しさを改めて実感しました。

怪我なく、無事レースを終えることが一番です。
悔しければ、次のレースで再チャレンジすればいいことです。
その代わり、チャレンジできる心と身体だけは、持ち続けなければなりません。

今年も感動をありがとうございました。



2023年 大会の記事


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集