【シリーズ1期生のいま】#2 自分が作ったもので、ひととつながることができる。
この記事は、佐久市で開催した2019年度「じぶんはたらき方講座」の受講生の“いま”を紹介しています。今年度の講座についてはこちら。
2019年度受講生 永井妙子さん
佐久市出身。美術系の短大、ガラス工芸の専門学校、軽井沢の工房で学んだ後に独立。トンボ玉のアクセサリーやひな人形などの繊細な作品を、現在はオンラインショップ中心に販売中。5歳と3歳の子どもを子育て中。
参加したのは、作品が作れなくなっていた時期
妙子さんが講座に参加したのは、子育てに追われて、ガラスの制作から離れていた時期。
「ガラス作品の制作をやりたいけれど、やれていない。新作もなかなか作れなくなっていました」と振り返ります。
「じぶんはたらき方講座」のワークで印象に残っているのは、幼少期、学生生活、仕事などのキャリアを振り返る「ライフラインシート」を書いたこと。
「こんなに自分の人生を掘り下げるとは思わなかった。人には見せられない(笑)でも、全部振り返ったことで、なんで自分がガラス工芸をやっているのかを思い出せました。これから何かをはじめるひと、自分を振り返りたい人にはとてもおすすめ」と妙子さん。
おとなしかった子ども時代、絵をかいたり、折り紙をするのが好きだった。その作品を誰かに見せることでコミュニケーションが生まれた。彼女が折り紙でつくる「ゆびわ」が人気で、友達が列を作っていたことも。そんな幼少期の風景がよみがえりました。
「自分が作ったもので、人とつながることができる。それがガラス工芸をやっている原点だった、と思い出したんです」(妙子さん)
講座を経て、屋号を変えようと思う
最近、8年近く使い続けてきた屋号をリニューアルすることに決め、すでに、いくつか候補はしぼっているそうです。
「活動をリフレッシュしたくて。一期生のみんなに相談したいな」と妙子さん。
「今までは、自分ひとりで全部決めてきた。相談するのが苦手なんです。でも、これからはもっと相談できるようになりたいなと思って。みんな屋号をどうやって決めたんだろう?決断したんだろう?講座の仲間に聞いてみたい」。
これまで、彼女の作品は、カラフルな動物をモチーフにしたかわいらしい雑貨などが多かった。もちろん、自分が好きだから。でも、だんだん自分の好みも変わってくる。じゃあ、誰のためにつくるの?今、作りたいものってなんだろう――?そんな思いを巡らせて、至った答えは
「自分が使って楽しいものを作ろう。自分が堂々と、身に付けて歩きたいもの」
実は今、和装に関心があるんだそう。生け花やお茶など、日本の文化にも触れてみたい。自分が使って楽しいもの。それは、妙子さんの今の関心事とマッチする、大人の女性に似合う、遊び心のあるガラスの和小物やアクセサリー。
そういえば。
私も最初、妙子さんにはかわいらしいイメージを持っていたのだけど、ある日、彼女が着ていた、シックで鮮やかな紫のセーターがとっても似合っていて、こういう魅力があるひとなんだなあ、と再発見したのです。
「新作が作れないときは、スケッチしたり、言葉にしたり、イメージだけでも描き残すようにしているんです」
きっと、頭の中にはすでに、たっぷりと構想が広がっている。
妙子さんの新作が、とっても楽しみです。
これから作っていきたい、ガラスの「帯留め」。ガラスならではの透明感とつや、大人の女性らしい遊びごころを大切にしています。
永井妙子さんのオンラインショップはこちら(リニューアル予定)
TAE glass master
https://www.creema.jp/creator/844986/item/onsale
今年度の講座についてはこちら
(ライター・team OHAYASHI 細川敦子)