#094 『親の役割』 娘に贈る99の言葉
私たちは何者かになるために生まれてきたのだろうか?
何か証を残し、何かを成し遂げなければ生きている価値はないのだろうか?
私はそう思わない。
もちろん、様々な考えがあると思うけれど。
私は私の人生を歩むために生まれてきたと思っている。
原則、自分のために生きていいと思っている。
ただ、人とは支え合って生きていくものだから、誰かのために時間を注ぐこともあるし、誰かに合わせて生きていく時間も必要だと思っている。
特に、子どもを授かってから、自分の時間の多くを子どもにさくことになった。
私は望んで望んで待望の我が子を授かった。
だから我が子のために時間を使うのは当たり前のことだった。
生まれてから私の命より大切なものがこの世にできた。
現在、23歳となり、独立した娘ではあるが、今でも命の優先順位が自分の命より上なのは、娘だけ。この先も変わることはないだろう。
子どもを授かってから、私は母親という役割をいただいた。
母親という役割はラクじゃなかったな。
思い通りにいかないことも多かったし、自分の未熟さに何度も悩んだ日々だった。
自分の人生を犠牲にしていると勘違いした時もあった。
それくらい身動きが取れなくて苦しんだ時期もあった。
今ではそんな出来事も素敵な思い出だけどね。
自分のために人生を生きていいけれど、親という役割がある以上、自分が思うまま生きられない。
役割を持つと、気ままには生きられないのは仕方ないことでもある。
ただ、みんな少し親という役割に縛られすぎてはいないか?と思うことがある。
本当は親になっても自分の人生を生きていいのだと思う。
でも、どこかで親という役割以外の自分を持ってはいけないと思ってしまっていた。
特に、母親は周りからも、そして自分自身も親であることを強いてしまっている部分があるのではないだろうか。
親という役割を持つと全ての時間を子どもに捧げないといけないと思っている人は多い。
もちろん、子どものために喜んで時間を捧げる人は多いだろう。
ただ、私は子どもに使う時間と同様に、私自身の時間も大切にしてきた。
親という役割のために全てを捧げる必要はないと今でも思っている。
私たちは役割を多く持つ。
親、子ども、パートナー、職場、友人…
人と関わるぶんだけ役割がある。
どの役割も大事にしていいのだと思う。
その中でも忘れちゃいけないこと。
それは、一番大切な役割は、自分の人生を生きる役割だということだ。
この役割だけは、誰にも変われない。
自分にしかできない役割だ。
だから、どんな役割を持っていても自分の人生を生きる役割を大切にしてほしい。
親という大役も大切にしつつ、自分の人生を生きる役割も同じくらい大事にする。
子どもは親の背中を見て育つ。
親が自分自身の人生を大切にしている姿は、やがて子どもが大人になって子どもを授かる時の希望となってくれるだろう。
2024.1.9
ばたち
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