見出し画像

ラベルを読んで知ったかぶってみる~ラベルには何が書いてあるの?

さて、私が前回の記事の後半でお話をした「爽酒」「醇酒」「薫酒」「熟酒」、この4種類のお酒を飲み比べてみましたか?

「『信州酒浪漫』ってタイトルなのにいつまで経っても長野県の酒蔵さんの話が出てこないではないか?」

まぁまぁ…そう焦らない焦らない。

こちらでも私が訪れた信州の酒蔵さんを追々紹介する予定ではおりますが、「ここの記事を読んだみなさんにも信州の酒蔵さんを巡ってほしい、長野県の酒蔵さんのお酒を飲んで欲しい」っていう思いがとにかく一番なのです。

そんなわけで私がどんな視点でお酒を選んでいるか、お酒選びを楽しんでいるか知ってもらって、今まで日本酒に馴染みがなかった人、すでにお酒を楽しまれている方、みなさまの日本酒への関心の一助、そそのかしになればと思っているのです。

そういうわけで…

前回「日本酒の味の違いは『製造工程』で決まる」という話をしました。

ということは日本酒の味の違いを知るには製造工程を知らなければならないということです。

あともうひとつ…私がYouTubeで自称「酒蔵イダー」として長野県内の酒蔵やその直営店をバイクで巡っているという話もしました。

バイクを運転しているということはその場で試飲をして購入するお酒を決めているのではなく、ラベルを見たり蔵の方や店員さんのお話を聞いて選んでいるのです。

そこで私単なる日本酒好きのド素人が「酒瓶のラベルからどうやって製造工程を垣間見ているか?」「どうやって自分の好みなんじゃないかなぁというお酒を選んでいるのか?」を製造工程の順を追ってお話ししていきたいと思います。

今回はその前段階として、製造工程のお話をする前に「『ラベル』には何が書いてあるの?」ということに触れておきたいのです。今回はそのお話をいたします。

「ラベル」にも色々と種類があります。

一般的には瓶の表に通称「表ラベル」と裏に通称「裏ラベル」の2枚が貼られていることが多いです。

この「ラベル」には、酒類業組合法によって記載が義務づけられた事項と条件を満たせば任意で記載できる事項が記載されています。

まず、「記載が義務づけられた事項」については以下のようなものがあります。

原材料
原材料は使用量の多い順に記載されますが水は除かれます。外国産の原料を記載した場合は原産国の記載も必須です。

製造時期
ここに記載される「製造日」とは、瓶詰めされ出荷できる状態にした日のことです。300ml以下のお酒は記載の省略が可能なため書いてないことがあります。
日本酒に記載されているのは「製造時期」、「賞味期限」ではないので間違って処分しないように(笑)

時々製造年に関して「2024BY」とか「令和6BY」と書かれている場合があります。
「BY」とは「酒造年度」(Brewery Year)の略で日本酒独特の年度期間区分です。
日本酒では7月1日を初日として翌年6月30日までを「酒造年度」(BY)という呼び名で期間区分します。
つまり「2024BY」と記載されていれば、2024年7月1日から2025年6月30日の間に造られたお酒ということになります。

保存や飲用上の注意事項
具体的には生酒の場合の「要冷蔵」の記載や、未成年者や妊婦への飲酒の注意喚起もここに記載されます。

輸入品の場合は原産国名
ワインの場合はよく原産国名が書かれていますが、私はまだ外国産の日本酒にお目にかかったことがないので見たことがありません。

外国産清酒を使用した場合はその原産国と使用割合
こちらもまだ見たことがないので実際の記載がどんな感じなのか分かりません。

以上の5項目とは別に、

製造者の氏名または名称、製造場の所在地
製造者の氏名または会社名と、その所在地を記載します。

容器の容量
mlで表示されます。一升瓶は1,800ml、四合瓶は720mlです。容量が300ml以下の場合は省略することができます。

清酒
日本酒は酒税法上は「清酒」と呼ばれます。「ラベル」への記載は「日本酒」「清酒」のどちらでもよいとされています。
「清酒」の定義は
1)必ずお米を使うこと
2)必ず濾すこと(「上槽」すること)
つまり濾していない「どぶろく」などは酒税法上では「清酒」ではありません。

アルコール分
日本酒はアルコール度数が22%未満でなければならないと酒税法で定められています。前後1%までなら幅を持たせて記載していいことになっております。

発泡性
最近流行りのスパークリング日本酒など発泡性があるものはその旨の記載が義務づけられています。

さらに任意で記載できる事項としては以下のようなものがあります。

原料米の品種名
使用割合が50%以上の場合は表記することができます。

清酒の産地名
その日本酒全てがその産地で作られていれば表示することができます。

貯蔵年数・原酒・生酒・生貯蔵・生一本・樽酒
製造方法に関する項目です。各項目の内容は追々お話ししていきます。

「極上」「優良」「高級」など、品質が優れている印象を与える用語
品種についての用語は「自社製品との比較で客観的な根拠がある場合」は記載が認められますが、「最高」「代表」「第一」など、製法や品質が業界内で最上級であると意味するような用語の記載は禁止されています。

上記の項目の他にも、商品名(銘柄)、「純米」「吟醸」「本醸造」などの特定名称、日本酒度、酸度、使用酵母、お酒の名前の意味、おすすめの飲み方、相性の良い料理なども記載されています。

中には「表ラベル」に全て記載され、「裏ラベル」の貼付のない瓶や「表ラベル」は商品名だけで詳細は「裏ラベル」だけにガッツリと書かれている瓶もあります。
また最近の商品では「表ラベル」がローマ字や英語で書いてあってワインと見間違えるようなものもあります。


「表ラベル」「裏ラベル」がある例
~大信州酒造 「大信州 超辛口純米吟醸」

「大信州 超辛口純米吟醸」の表ラベル


「大信州 超辛口純米吟醸」の裏ラベル


「表ラベル」しかない例
~大雪渓酒造 「大雪渓 D純米吟醸」

「大雪渓 D純米吟醸」は表ラベルだけに
必要事項全てを記載されています。


向かって左側に書かれています。裏ラベルはありません。


「裏ラベル」しかない例
~亀田屋酒造 「亀乃世 しぼりたて生原酒」

「亀乃世 しぼりたて生原酒」は表ラベルがありません。


裏ラベルに全て記載されています。


ここから先は

0字

自称「酒蔵イダー」がYAMAHA YBR125で巡る酒蔵の話、私流の日本酒の楽しみ方をお伝えしています。 皆さんの日本酒の楽しみ方も教えて…

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?