「小分け」にする①
「大は小を兼ねる」
確かに大きな器は小さな器を収めることができますが、「機能的」「効率的」かといえば差にあらず。そういった意味では「大は小を兼ねない」とこの年になるとキッパリと言い切れるわけで。
「効率的」という面でいえばモノを「収納する」ということだけでいえば大きい入れ物に収める方が早い。しかし、よーく考えると取り出すことやしまったものがどこにあるのかを管理することを考えると小さな入れ物の方が「効率的」ではないかと思うんです。
前の住まいでは主な収納が押し入れでした。というわけで押し入れの奥行きに合わせ二段重ねで収納できるプラ製の収納ケースを使っていました。透明で中身が見えるのですが奥行きがあること、深さがあることで真ん中付近に収められたものは何が入っているか分からないんです。
引越の際に収納ケースの中身を取り出して残すもの・捨てるものを分別していると「あ~、懐かしいねこれ」…つまり存在を忘れているものが山のように出てくるんです。
意識して保管してあるものと忘れたまま保管されているもの…保管されているということには変わりがないですが実は大違い。「必要品」と「ゴミ」という大違いなんです。
保管スペースがあるなら保管しておいてもいいじゃないの?って考え方もありますが、モノは少ない方が探すのは楽。
なぜ整理整頓をするのか?
「人が家に来た時に笑われないように」と昔の私は思っておりましたが(笑)、収納スタイリストの吉川永里子さんの様々な著書を読んでから、氏が語るように生活において最も無駄な時間の一つである「探し物をする」という時間を極力短くするためと納得しています。
「収める」ことに重きをおかず「取り出す」こと、「探し出す」ことを最重要課題として収納をするとイライラしない。イライラしないと心にゆとりができる。心にゆとりができると周りの人の話をじっくり聞くようになるし、じっくりと考えるようになる。
今回、20年間住んだ場所からの引越の時に山のように積まれた荷物、新居での生活に移った時に感じた「小分け最強説」の備忘録的に綴ると…
①取り出す方向から覗いた時に見えないものがあるような積み方はしない。そうしないためにもなるべく深さのない、奥行きのない収納ケース・ボックスを買う。
②どうしても収納物を積まなければならない時は収納箱の表に中に入っているものが全て分かるように表示をしておく。
③冠婚葬祭対応のものや思い出のものでどうしても取っておきたいものを除いて、1年間のうちに1回も使っていないものは棄てる。
④置場所、保管場所が定まっていないものは決めてから買う(特に大きいもの)。
⑤セール品でも普段より1品あたりの500円以上お得にならない時は慌ててまとめ買いしない。
⑥スペアの買い置きは1個、1パックで充分。
⑦同じ収納ケース・ボックスに保管するものは内容に共通性のあるものにする。
そんな小分け収納に近頃気に入っているのがSeriaで売っている「Plenty Box」。同じ形のボックスで色々な外観のものがあり、もっとおしゃれな感じなのもありますが、私はこの無機質なまさに「保管箱」っていうのが気に入っています。
この「小分け」という考え方は形あるものの保管だけでなく、行動管理やストレスを感じない考え方でも使えます。そのお話はまたの機会に🙇
【参考文献】
吉川永里子『ラクするための片づけルール』ワニブックス