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【Vol.2】どうして「漫才」なの?

チームフランポネをサポートするプロボノワーカー*が聞き役になり、フランポネのマヌー島岡(以下、マヌー)さんに質問をしていく企画。

今回は第2弾。どうして「漫才」なの?がテーマです。

ーなぜ「漫才」がよいのですか?
マヌー:これは本当に大事な質問ですね。漫才には、他の手法にない3つの大きな特徴があるんです。

1つ目は「シンプルさ」です。

漫才って、コントと違って特別な道具や大道具が必要ありません。マイク1本あれば、どこでもできる。これって、実は凄く重要なポイントなんです。例えば、障害者就労支援施設に行っても、教室でも、すぐに始められる。予算も大きくかからない。

2つ目は「対話性」です。

漫才の本質って何か知ってますか?これ、実は「二人の自然な会話」なんです。ボケとツッコミという役割分担はありますが、基本は対話なんです。人と人とのコミュニケーションの基本形といってもいい。

ここが教育現場で重宝される理由なんです。例えば、外国語教育。普通の授業だと、先生が一方的に教えるじゃないですか。でも漫才だと、二人で会話しながら学べる。実際、来年度から大阪府の教育委員会で「漫才で覚える英語」の授業が採用されることになりました。なぜかというと、日本の英語教育って読み書きは得意だけど、会話が苦手なんです。でも漫才なら、必然的に話さないといけない。

3つ目は「即効性」です。

私たちの漫才作成講座は、60-90分で3行程度の漫才が作れるようになります。昨日も川崎市内の障害者就労支援施設でやってきましたが、本当にできるんです。日本語が完璧でない外国人の方でも、知的障害がある方でも。なぜかというと、漫才って「言い間違い」や「聞き間違い」という日常的な出来事を面白くするだけでいいんです。

ー漫才の例を教えてもらえますか?
マヌー:
はい、ご紹介します。

ツッコミ「そうだ、シラちゃん、お昼カレー食べに行かない?」
ボケ「私、ベジタリアンだから、安いカレーにする」
ツッコミ「それ、安いカレーじゃなくて、野菜カレーでしょう!」

たったこれだけ。「野菜」と「安い」を言い間違えただけの単純な漫才です。でも、これが国際交流や障害者支援の現場で、素晴らしい効果を発揮する。

ー漫才はコミュニケーションの手法でもあるわけですね?
マヌー:はい。実は漫才には、小さなコミュニケーションと大きなコミュニケーションがあるんです。舞台上の二人の会話が小さなコミュニケーション。それを見ている観客との関係が大きなコミュニケーション。この二重構造が、人と人とを繋ぐ力を持っている。

だから私たちは漫才を選んだんです。シンプルで、対話的で、即効性がある。これほど社会課題解決に向いているツールは、他にないと確信しています。

ーありがとうございます。次回は、具体的にどんな活動をしているのかを教えてください。

・インタビュー日:2024年9月
・聞き手:川崎市プロボノ部のプロボノワーカー。チームフランポネの活動をサポートしています。2024年度下半期に活動中。

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