【Vol.4】漫才ってどうやって作るの?
チームフランポネをサポートするプロボノワーカー*が聞き役になり、フランポネのマヌー島岡(以下、マヌー)さんに質問をしていく企画。
今回は第4弾。「漫才ってどうやって作るの?」がテーマです。
ー本当に短時間で漫才ができるのですか?
マヌー:はい、本当にできるんです!実際にお見せした方が早いと思うので、私たちの漫才作成講座の流れを具体的に説明させていただきます。
基本は60分から90分のプログラムです。3つのステップで進めます。
【ステップ1:概要説明(15分)】 まず、漫才の基本を説明します。漫才には「ボケ」と「ツッコミ」という役割があります。ボケは「とぼける」から来ていて、面白いことを言う人。分かりやすく言うと「ちょっと変な人」です。ツッコミは「ちゃんとしている人」で、漫才を説明したり、ストーリーを展開したりします。
【ステップ2:コンビ結成(15分)】次に、2人1組でコンビを組んでもらいます。コンビ名も決めます。例えば小学校でやる時は「○○小学校2年1組の田中です」「同じく2年1組の鈴木です」「コンビ名は○○小学校です」というような簡単なもので十分。地域でやる時は「多摩区に住んでいる山田です」「同じく多摩区の佐々木です」「コンビ名はたまたまです」といった具合です。
【ステップ3:ネタ作り(30分)】 ここが一番大事なところです。私たちは「やさしい日本語」だけを使った3行の漫才を作ります。例を見せましょう。
「そうだ、昼ごはん食べに行かない?」 「私、ベジタリアンだから」 「安いカレーじゃなくて、野菜カレーでしょう!」
これが一つの完成形です。ポイントは「言い間違い」や「聞き間違い」を使うこと。「野菜」と「安い」を間違えただけの単純なネタですが、これで十分なんです。
他にも例えば:
「出身はどこ?」「キッチンです」「キッチンじゃなくて北京でしょう!」
「好きな動物は?」「カレーです」「それ飲み物じゃないでしょう!」
このように、日常生活でよくある間違いを使うだけで、漫才になるんです。
特に外国人の方や障害のある方と一緒にやる時は、その方々の特徴的な言い間違いや聞き間違いを活かします。これが逆に、その方々の個性として輝くんです。
例えば、先日スイス人の妻が「洗濯機」を「ケンタッキー」と聞き間違えたことがありました。これも立派な漫才のネタになります。
ー確かに簡単に作れそうですね。でも漫才ってもっと長いものかと思ってました。
実は、漫才を長くするのは簡単なんです。でも短い方が良い。なぜなら:
覚えやすい
失敗が少ない
たくさんの人が発表できる
何より、観客も集中して見られる
「たった3行で漫才になるの?」とよく聞かれます。でも、3行あれば十分なんです。大切なのは「量」ではなく、その人らしい「個性」が出ているかどうか。
実際、この方法で数百人の方々と漫才を作ってきました。日本語が完璧でない外国人の方も、知的障害がある方も、小学生も、高齢者も、みんな60分あれば漫才ができるようになるんです。
これが私たちの「漫才作成メソッド」です。シンプルだからこそ、誰でもできる。それが一番の特徴なんです。
ーありがとうございます。次回は、「漫才の効果」を具体的に教えてください。