【Vol.1】チームフランポネってどんなチーム?
今回より、インタビュー企画をスタートします!
チームフランポネをサポートするプロボノワーカー*が聞き役になり、フランポネのマヌー島岡(以下、マヌー)さんに質問をしていく企画です。
今回は第1弾。チームフランポネってどんなチーム?がテーマです。
ーチームフランポネとはどんなチームですか?
マヌー島岡(以下、マヌー):はい。チームフランポネは、お笑いを通じて社会課題の解決を目指す団体です。
私たち夫婦の話から始めさせてください。私、マヌー島岡は川崎市中原区出身で、以前は総合商社に勤めていました。2017年に吉本興業の芸人養成所NSCに入学し、今は吉本興業所属の芸人として活動しています。英語、フランス語、スペイン語など5カ国語を話すのが特徴です。
妻のシラちゃんはスイス・ジュネーブ出身で、母国語はフランス語です。私たちは日本で唯一、フランス語でも漫才ができるコンビとして活動しています。それと一緒に活動している藤田ゆみさんも、グラフィックデザイナーとしての顔を持つ芸人です。
ーなぜこのような活動をはじめたのですか?
マヌー:なぜこのような活動を始めたかというと、日本のお笑い、特に漫才はまだ国際化していないことに気づいたんです。日本のアニメや漫画は世界に広がっていますが、お笑いはまだまだ。その理由は、今まで日本人が日本語だけで披露していたからなんです。
でも、私たちは違います。漫才を教育や福祉、国際交流の手段として活用しています。例えば、日本に住む外国人に「漫才で覚える日本語」の授業をしたり、障害のある方々とバリアフリー漫才大会を開催したり。小中学生向けには「漫才で覚える英語」の授業もやっています。
ー活動の拠点はどこですか?
マヌー:私たちの活動拠点は川崎市なんですが、実は今、月の半分は関西で活動しています。というのも、漫才発祥の地・大阪では「お笑いを使った社会貢献」という考え方にとても理解があるんです。でも、生まれ育った川崎でもっと活動を広げていきたい。そういう思いで日々活動しています。
結論から言うと、私たちは「単なる芸人」ではありません。お笑いを通じて、教育、福祉、国際交流など、様々な社会課題の解決に取り組んでいるソーシャルワーカーなんです。最終的な目標は「お笑いの力で世界平和に貢献する」こと。大きな目標ですが、一つ一つの活動を積み重ねていきたいと考えています。
ー普通の漫才師とどう違うのですか?
マヌー:そうですね、これは本当によく聞かれる質問です。大きく2つの違いがあります。
1つ目は「目的の違い」です。
普通の漫才師は、お客さんを笑わせることが第一の目的です。昭和の時代は、面白ければ何でもよかった。例えば〇〇〇さんという伝説的な漫才師がいましたが、無免許で飛行機に乗ったり、暴力沙汰を起こしたりしても、「芸人だからしょうがない」で済まされた時代でした。
でも今は違います。令和の時代、お笑い芸人も社会性が求められる。実は吉本興業も今、SDGsや地域創生に力を入れているんです。私たちは更に一歩進んで、お笑いを「社会課題解決のツール」として使っています。
2つ目は「ビジネスモデルの違い」です。
従来の漫才師は「面白いことをやってギャラをもらう」というシンプルなビジネスモデル。でも私たちは違います。例えば、障害のある方による漫才大会を開催する。その収益を出演者の方々に還元する。まさにソーシャルビジネスとしてのお笑いを追求しているんです。
ー具体的に教えてもらえますか?
マヌー:先日、大阪市の施設で障害のある方々と漫才大会をやりました。普通なら、プロの芸人が出て笑いを届けるだけ。でも私たちは、施設の方々に漫才の作り方を教えて、実際に舞台に立ってもらう。結果、参加者の方々が自信を持ち、コミュニケーション能力も向上する。家族の方々も喜んでくれる。
また、外国人向けの日本語教室でも活動しています。普通の日本語教室と違って、漫才を通じて楽しみながら日本語を覚えられる。実際、来年の大阪万博でも、スイスパビリオンで私たちの国際交流漫才が採用される見込みです。
私たちが目指すのは、漫才という「笑い」の文化を、教育や福祉、国際交流の現場で活かすこと。そのために、行政や教育機関、福祉施設などと連携しながら活動を広げています。
だから私たちは、自分たちのことを「お笑い芸人」というよりも、「お笑いを使って社会をよくする活動家」だと考えています。それが普通の漫才師との一番大きな違いかもしれませんね。
ーありがとうございます。次回は、「なぜ漫才なの?」を教えてください。